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ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇りのTKEのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

世界的にも有名なRPGの原点である「ダンジョンズ&ドラゴンズ」
このゲームはテーブルトークゆえに自由度が高く、これといった明確な世界観が存在せず、世界中で愛され拡張され続けて、もちろん過去にも映画化、書籍化されている。

基本としては「ダンジョンに潜ってドラゴンなどの魔物を倒し宝を見つける」というものだが、今作はそこを押さえつつ人間的なドラマを織り交ぜた、非常にわかりやすい娯楽作品へと仕上げている。

要は、メチャクチャ面白い!ということです。


今回の主役は盗賊であるエドガン。
彼は「ハーパー」と呼ばれる秘密組織に所属しており、何の見返りを求めることなく悪を倒し続けていたが、妻と娘に裕福な暮らしをさせたいという願望から悪の魔術師のお宝をくすねてしまい、その結果、妻を失ってしまうことになる。

絶望したエドガンは故郷を追放された女戦士のホルガと共に盗賊となり、金持ちからお宝を盗むようになる。

娘も成長し、落ちこぼれの魔法使いサイモンや詐欺師のフォージと出会い日銭を稼いでいたが、ある時、ソフィーナと名乗る魔女に出会い運命の歯車が狂っていく。


聞いたこともない地名や何の説明もなく色々な魔法や種族、人物が出てきますが、全然問題ないです。

壮大に見えてやっていることは単純な一本道で、分かりにくい伏線もなく、その場その場でイベントが発生するというまさに古典的なRPGを、現代技術でこれでもかというくらいに魅せてくれます。

いいんだよ、こういうので!

同じようなファンタジー映画といえば「ロード・オブ・ザ・リング」なんかがありますが、似ているようで全然違います。
今作は、はるかに分かりやすいです。いい人そうな人はいい人で、悪そうな奴はとことん悪い奴です。

難しいこと考えないで見れるのって本当に大事なんだなぁ…と思いました。


具体的に何が面白かったのかというのを、ここで文字に起こすのはなかなかに難しいのですが、見た人同士なら冒頭からずーっと笑って話せると思います。

個人的には吹き替えで見たほうがコメディチックで楽しめると思います。声優さんの無駄遣いがスゴい。


登場人物も魅力的なキャラクタが多く、個人的には女性陣が高評価。
女戦士のホルガにミシェル・ロドリゲスを起用したのは本当によくやってくれました。正ヒロインの位置にゴツい女性とか英断すぎる。
格好良さとマヌケさ、人間臭さと母性が溢れすぎてて、こんなん好きにならない人いないと思いますよ。

そして、途中から参戦するドリックがメチャクチャ可愛い。唯一、1人だけ旅の目的が違うんだけど、ともに活動するうちにかけがえのない仲間になってくるのと、華奢でありながら勇猛果敢なギャップがもうね、たまりません。
演じた南沙良さんも個人的にはマッチしていて、サイモンじゃなくても惚れます。

闘う女性が好きな自分にとっては、この2人の存在だけでプラス評価です。


面白いだけかと思いきや、結構過激なシーンも多く、バッサバッサ斬られたり、魔物に食われたり溶かされたりゾンビになったりと若干ホラー要素もありますが、血がドバーっみたいなのはないので、耐性ない方でも見やすいと思います。


家で見るのもいいですが、大画面で見たほうが圧倒的に面白い作品だと思うので、可能であれば劇場で見ていただきたい作品です。

時間としてはやや長めなので体力ない時はキツいかもしれませんが、元気がない時とか何か面白いものみたいな〜という時にお勧めです。
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