REN

キャッツのRENのレビュー・感想・評価

キャッツ(2019年製作の映画)
2.1
極上の苦しみを、あなたに。
映像の魔術師トム・フーパーが贈る黒魔術。人の動き+猫の動き+バレエの組み合わせで生まれたダークマター。バレエで動く猫の五指に恐怖を覚え、四つん這いで駆け回ったり、床を叩いて拍手する行動にサスペリア(亜種)を感じた。
ブッダが生きてたら、沙羅双樹の下でコレを苦行に薦めたい。
ビジュアル以外での問題点は、一見に厳しいという所。2時間に満たない短めの内容で固有名詞の連続。初めてキャッツを観る人からすれば、名前を覚えてられない。また、詰め込みなシナリオのため、各猫への感情移入が難しく、「この人はこうする」ではなく「この人はこんなことがあった」といった事を伝えられるのみで、観てる側は「ふーん、そんなことがあったのかぁ」くらいの印象しか持てない(これは原作的にも仕方ないのだろうが)
ともあれ流石はトム・フーパー。歌は1級品で、1番の見せ場の歌唱は圧巻。但しビジュアルで相殺。
目を閉じ視界を捨て、聴覚のみで楽しむ映画。
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