ふっくー

ザ・グラッジ 死霊の棲む屋敷のふっくーのレビュー・感想・評価

3.1
日本で2006年に公開された清水崇監督、サムライミ制作の「呪怨-パンデミック」以来の久々の新作です。
清水崇の手を離れ、完全にハリウッド制作となった今作ですが、日本の呪怨を感じさせるオマージュや、ファンサービスがふんだんに盛り込まれている。冒頭日本から始まるシーンはデイサービスの名前がパンデミックと繋がっていたり、電話の相手が洋子、そうオリジナル版で出てきた佐伯家で関わった人物であったり、一瞬だけ背後に現れる伽耶子などこのへんは日本のファンからしてもとても嬉しい。
あ"あ"あ"あ"も日本と同じだし、過去に起きた佐伯家の資料の写真もオリジナル版の人物だったのも良い。

そしてタイトルコールでも赤い文字で「呪怨」と出してくれるのはニンマリしてしまう。
インシディアスシリーズでフォースの覚醒をキーフェイスにお見舞いしたお馴染みリン・シェイがメインで出ているのは最高でした。

物語の時系列としては2004.2005.そして2006年と時代を行き来しながら進む展開は、オリジナル版の、人物ごとに物語が変わる呪怨特有のオムニバス形式もしっかりと引き継いでいる。

本家日本のリブート作品「呪怨-終わりの始まり」では佐々木希のシャワーシーンを入れてくる謎のサービスショットで迷走していた呪怨名物のシャワーシーンですが、今作はしっかりと後頭部から手が出てくるお馴染みシーンだったのでしっかりと呪怨でした笑

今作はパンデミックでもそうだったように、その家に足を踏み入れた人たちに呪いが伝染していくのがメインになっているので、日本で言う「伽耶子&俊雄」といった悪霊が直接襲いくる感じにスポットを当てていない点は、やはりちょっと物足りない感は否めない。
肝心なサンダース家の変わり果てた姿もアメリカンな悪霊になってしまっているので、震え上がるほど怖くないのが残念。

そして今作で1番残念だったのは、怖い!ショッキングなグロテスクシーンがほとんど未公開シーンになってしまっていること!!!これは製作者も泣くよ!カットしすぎだよ。
屋根裏で見つける親子の死体とか、
バスタブで溺死させる長回しシーンとか、
あとなんでそうなったのかという重要なシーンをカットしてたりしてる。。。
エンディングも未公開シーンの「もう一つのエンディング」の方が圧倒的に良いじゃないか。
病院の階段の吹き抜けからインシディアスダイブを披露してくれるリン・シェイが今作最大のショッキングシーンなのだけど、そのシーンをああいう形でラストに持ってくるなんて最高じゃないか。
あと特殊メイクメイキングで一瞬だけ映る妊婦のお腹から引きずり出された胎児とかやべぇ要素もあったんだけどなぁ。まぁ大人の事情とかで、やむなくカットされちゃったんだろうけどさー、これ正式に3月に円盤リリースするときはディレクターズカット版で収録してほしいわ。。

ここまで重要なシーンを未公開シーンにしてしまう映画もそうないよ。
なので今作をこれから見ようとしている方は本編後に、絶対に未公開シーンも見てほしい!!
伽耶子さんもそう願っております。
ふっくー

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