金持ち一家に取り入った主人公が、義兄となる男の婚約者に手を出し、なんやかやあるというお話。
登場人物の誰にも感情移入できないので、なかなかに退屈な展開。主人公とスカーレット・ヨハンセンの不倫関係も、周囲にバレやしないかとヒヤヒヤさせられるわけでもない。妊娠発覚してからの展開もありきたりな修羅場で、盛り上がりに欠ける。
主人公どうやってこの修羅場を乗り切るかと思えば、あーやっぱりそう行きますか。
前半で主人公が読んでいた『罪と罰』がどう効いてくるのかがもっぱらの興味だったが、アパート、階段、ドアをノックされる、予期せぬ第二の殺人てなところなのかな。そんな道具立て以上の仕掛けがあるのかも知れないが、気づかなかった。
予審判事ポルフィーリィならぬポンコツ刑事が夢で真相に辿りついても、犯人逮捕とは行かぬようで。最後の主人公の無表情な顔は、彼が今後罪の意識に苛まれながら生きていくことを暗示しているととりたいが、恵まれすぎて退屈なだけの人生を送ることを暗示しているのかも知れない。
冒頭のテニスボールがネットに引っ掛かるところと、終盤で主人公が投げた指輪が引っ掛かるところ。で? あまり面白くない。
全編に流れる歌がいい感じ(歌詞に何か意味が隠されているのかな。何語なのかすらわからんけど)なのと、主人公が神田伯山に似ているのが印象的でした。