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青い塩のbibooのネタバレレビュー・内容・結末

青い塩(2011年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

「イルマーレ」の美しさが好きで、イヒョンスン監督作が見たくて鑑賞。イルマーレに引き続き夕日を活かした情景がとにかく美しい。オタク的とも言えるほどこだわりが滲んだ水辺と太陽のコントラストをふんだんに使った芸術的な角度のカットも多い。あとイヒョンスン監督の映画はライティングが綺麗。特に、笑ってしまうほど料理シーンのライティングが綺麗でやけにおしゃれなのはなんなんだろう。

ストーリー自体は韓国映画でよく見かけるチンピラと美少女の友達以上恋人未満のロマンス。これまた先が予想できそうなベタな展開に一滴のミステリー要素を足した作りになってて、イルマーレと共通する構成。ワンシーン目に結末を明らかにした上で進めてくから種明かしにも意外とそこまで驚きはないんだけど、アクションやカーチェイスがやけに迫力あってさすが韓国映画と思った。カーチェイスなんか特に何テイクも重ねたんだろうなと思うほど色んな画角からのカットバックが激しくて、美しい情景や美少女とのほっこり言い合いシーンとのギャップがすごい。全体の繋がりやトーンを合わせて見せるというよりかは、情景やアクションとかシーンごとにフォーカスしたいことに対して実験して撮ってる感じがするから、フォーカスしたいことがやけに際立ってて各シーンごとに笑ってしまうほど良くも悪くもギャップがあるときがある。フォーカスしたいことの技術がピカイチすぎるゆえ。エンディングが心地いいボサノヴァで終わるのもギャップありすぎてシュール。

ヒロインの囲みメイクや2NE1や「サニー」や、2010年代初期の韓国のトレンドも詰まっていて、夜の街でのエンジョイシーンとか、アップになったときの表情のキメ方も時代を感じる。イヒョンスン監督の作品はストーリーの面白さはさておき映画オタク的な局所へのこだわりも感じるし、その時代のトレンドも観れるのが面白いと思う。
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