ひば

SHADOW/影武者のひばのレビュー・感想・評価

SHADOW/影武者(2018年製作の映画)
5.0
こんな映画は見たことなかったので本当にびっくりした。映画の尺度は無限、今でもびっくりする。すべてが幻想的で音楽もそう、細部に小汚なさの気品に至上の美がある。絵巻物が自我を持ち瞬間にも永遠にも感じさせ、映画そのものが思惑し思考しているようである。西洋の光と闇とはまた違う陰陽の秩序(物質/反物質に極めて近い概念を宗教的面からずっと早くに取得したのだな)、日本の侘び寂びとはまた違う圧倒的な静と動という生における反復、円という力の分散であり循環。しなやかさとは弾力のようにバネのようにそしてしなり受け流し力を上乗せして返すもの。この作品におけるすべての因子や体系が人と結び付く。多くの視線を一緒くたに惹き付けるうっとりするほどのモノクロデザインも一歩間違えれば安っぽくなるのにとんでもなくかっけえ衣装に城内構造に反射率さえ制御し半透明は鈍くぼやけ繊細に線引く仕掛けも内包。
ふわふわしてるのも束の間、突然楽器でしばかれる弦バトル(本当にびっくりした)や、女も部下も血気多すぎる修羅の国では主人が自分に射て外した矢を拾って自分に刺す優しさの効率化が行われ、なんといっても馬鹿?と喉まででかかっても破格のカッコよさ賢さで映画ウェポンフリースタイルノーベル賞総なめブレードよ。凹凸もあるし水で滑らせることもできるしある程度刃が減っても引っ掛かりやすくなるし自分に刺さる思いますけどまぁなんの話してんのかは見てくれよ。荒らしに荒らしてその辺の木に突き刺さるの嫌すぎるすきシーンです。からの応用シェルトルネードだ!!!遠心力推進力摩擦力を理解した逸品。緩急で入り込む自我の皮、役目を演じる自我という他者の自我。各々独自の顔を持つ隷属を隠れ蓑としたレパートリーが心象を乱調にまとめあげ、わたしが世界で一番すきこと"美"で担保しやりたい放題を相殺どころか相乗したこの力量にはさすがのわたしも甘美なため息である。推しはもちろんお前が嫁げェの妹です。配給のバナーが一番俗でキラキラしてっから!あそこだけビル!
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