ひば

サメと遊ぶ伝説のダイバーのひばのレビュー・感想・評価

サメと遊ぶ伝説のダイバー(2021年製作の映画)
5.0
〈4/22はアースデイ〉
『ジョーズ』が現実世界にもたらした虐殺を知っているだろうか。ピーターベンチリーは伝説のダイバーことテイラー夫婦に触発され『ジョーズ』を執筆し夫婦も撮影に協力したが、後に執筆への後悔を口にする。多くのサメが無意味に殺された。人間の歴史はサメの暗黒時代の幕開けだった。恐竜の時代より遥か昔、4億年前から姿を変えず君臨する完成された王者を狩り続ける人間たち。無尽蔵と思われた自然にも限りがあると気付いたのは最近とも言える。そして人間と自然は狩りを介してつながり、だからこそ環境保護活動家はハンター出身が多いのだという。当時サメの情報はほとんどなく、サメというものは船の上でしか見れない"影"であった。4000種以上のサメがいるが危険なのは5、6種ほど。そして干渉しなければサメは襲ってこない。サメに襲われるよりビーチで転んで怪我をする確率の方が高い。そもそも海に生きる生き物に陸の人間がいたずらに干渉することが間違っている。私たちも未だサメを影としか認識していない。
ヴァレリーテイラー氏を知ったのはクリスヘムズワースが尊敬する活動家だったことから。『Chris Hemsworth Getting Familiar with Sharks』という番組で共演した。海の女性像の先駆者であり保護活動の先駆者でもある。ヴァレリーが助けたサメの多くは人間によって殺された。サメが消えれば流動的な生態系も壊れ始める。未来では命のゆりかご"海"を知る人間は存在しなくなるかもしれない。人は適切な距離を保ち海を愛し続けることができる。命の価値に見合ったものを食べよう。今日何を食べたか、どんな命があなたの糧になったか思い出して。冷笑をやめ自分の故郷を守ろう。海を愛し人生を愛そう。
この作品は視聴が支援に繋がるとのこと
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