映像の質やカットがしっかり現代的なので、時代設定がかなり前なだけに、モノクロ調のコントをダラダラ観てる感じ。
悪く言ってる訳じゃなくて、ちゃんと社会は誠実だし、「喜劇」になってるので楽しく観賞しました。だだ、、こういう映画にありがちだけど、主人公が溌剌な人間じゃないし、ずっと他人との不和や歪な距離感を構図で描くからどうしてもワンパターンだし観ていて起伏がないので後半飽きてくる。
どうしようも無かっただろうなと思う反面、映画はしっかり彼女をフォーカスして撮ってるので、いくらでも自己を省みるチャンスが、他者と向き合う場面があっただろうが!となる。
冒頭でちゃんと提示されてるというか、母親に呆れて言われた「自殺する勇気」も「生きてく勇気」もあんまり変わらない。
レズである事が、女性である事が、ってなるけど、他の登場人物でレズである女性もそうじゃない女性もしっかり生きてるからね。それが理由にはならない。
ラストの死刑直前で人間らしく叫びまくって抵抗してる主人公が一番可愛かった。
違う人格を持ち出して「最後は私は救われるはず」とか言い出すから、ホントに哀れ。ここら辺は映画を見終わってポスター見ながらしっかり彼女の本名をタイトルに入れてて素晴らしいかった。「お前はお前だろうが、逃げんじゃねぇよ」って製作者側が突き着けてるようでカッコいい。そして映画はちゃんと記録(レコード)として刻まれるから素晴らしいですね。
彼女を通して、誠実な社会が見えてくるし、しっかり罰が下るので溜飲が下がる。
ただ、やっぱもっと無軌道でヤンチャな映画でもいいのになぁ、、。とは思います。