okaeri

私、オルガ・ヘプナロヴァーのokaeriのレビュー・感想・評価

-
大学でも似たようなものを読んだなと思う。
それは日本での事実の報道であり、死刑廃止論の論文を書くときに用いたものだった。
(死刑を求めて犯行に及ぶひとは割と多い。)

映像化されて詳細なところまで見ると文字を追って想像するよりずっと苦しかった。必要な苦。

「感情が枯れ 希望を失っても 壊れない堕天使
米国の黒人より酷いのは孤独なこと」
「無言の自殺では報復にならない
社会は権力ゆえに自らの罪を問えず、内々に裁かれ罰や打撃を受けるだけ、
私はあなた方の残虐性の犠牲者
安すぎる代償として死刑を宣告する」
「死刑なら罪の価値が上がる
私がプリューゲルクナーベ(いじめられっ子)
そういう人をつくらないでほしい
私の動機は復讐とこんな事態を二度と起こさないため」
「私と同じ犯罪者予備軍は大勢いる
ただ勇気がないだけ
そうした人たちに関心を持ってほしい」


殺人事件が報道されるたび、自分がどちら側か、自然と被害者側であることを思う。
けれど本作に対する他人の感想を読むと当たり前にヘプナロヴァーに同情を寄せる。
そういったことが多いこと
okaeri

okaeri