メザシのユージ

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのメザシのユージのレビュー・感想・評価

4.0
20世紀初頭のアメリカ・オクラホマ州。先住民族のオーセージ族は、石油を掘り当てて莫大な富を得るが、その財産を狙う白人たちが彼らに近づく。白人たちはオーセージ族を言葉巧みに操っては財産を次々と取り上げ、やがて命までも奪っていく。悪事が加速していく中、オクラホマを訪れたアーネスト・バークハート(レオナルド・ディカプリオ)は、オーセージ族の女性モーリー・カイル(リリー・グラッドストーン)と出会って恋に落ちる。
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3時間26分、1人の男が悪の道にはまり崩壊していくまでを描く見応えのある映画だった。

20世紀初頭のアメリカで、莫大な遺産を相続することになる一族が謎の連続死をとげる。まるで横溝正史のミステリー小説のようだが実際にあった事件。

長い映画だが、登場人物はそれほど多くないし事件自体もそんなに複雑でもないから観てて混乱することはないと思う。原作小説を分かりやすくまとめていたのも良かった。

無理矢理住むことになった土地で、石油が出たことで金持ちになったアメリカ先住民たち、事件の根本には彼らに対する差別の意識も強かった。「インディアンの命は犬よりも軽い」というセリフが印象的だった。

そんな大金持ちの先住民女性モリーと結婚するアーネスト。彼のモリーに対する愛情はおそらく本物だったと思う、ただ金と権力に弱かったせいで「何が1番大切なのか」を見失ってしまった。

FBIが捜査にきてからは、一気に物語のスピードが上がって緊張感がます。

叔父は出所して、最後は養護施設で死んだとか、モリーは離婚して50歳で糖尿病で亡くなったとかをラジオドラマのような舞台劇で説明するのが面白かった。