Frengers

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのFrengersのネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

 白人社会を奇異なるもの、おどろおどろしいものとして映すことが出来る80歳を超えた白人監督がいることに何よりも興奮した。本人が影響を公言したアリ・アスター監督作(主に『ミッドサマー』かな)を思わせる真上からの俯瞰ショットとアーネスト(レオナルド・ディカプリオ)のPOVでズラッと権力をむさぼる白人を並べる凄さ。ゴダール、イーストウッドやスピルバーグが新しい画を必要としないかのような作品を撮る中、貪欲に吸収し、ジョーダン・ピール監督作のような視点まで持ってしまう胆力。久々にアメリカって凄いなと思わされた。
 カメラの寄りと引きによって波風を立てる何かを印象付けるショットと長回しの流麗な繋ぎ、デニーロとディカプリオを師弟関係で結ぶことによりアメリカの歴史への踏み込みもより強固になっている。

でもちょっと不思議なのは例えば席を立つ瞬間や扉を開けて車をでる瞬間は画面におさめずジャンプカットなんだよなぁ。そこはスコセッシ節ではあるものの、何で?とも思うので点数はこんな感じ。
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