PS試写待ってます俊平

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのPS試写待ってます俊平のネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

僕は今社会人一年目なのですが、この映画は僕にとって「ちゃんと自分で色々考えて生きなきゃ駄目だな」と思わせてくれる作品でした。

今まで学生しか経験したことがなく自堕落な生活を日々送っている人生経験の乏しい自分には、社会というものの全体像を俯瞰して見る視座が無い為、やばい、、。このディカプリオみたいになっちゃマズい、、。ちゃんとしなきゃ利用されるんだ!と思わせる戒め的な意味でも大切な映画になりました。

社会に出る前の若者が観るべき映画としても優れていると思うので、
この映画はすべての高校で卒業前の道徳の授業で観せるべきだと思います。(休憩無しの3時間26分ぶっ続けで。)

ディカプリオ演じるアーネストは本当になんとなくで生きている人間で、「よくわかんねぇけどキングおじさんが言う通りに動いてれば良い感じに生きれるよね~俺の事よく考えてくれてるし 」という具合でキングおじさんに丸め込まれ、犯罪に手を染めていく事になるのですが、最後の最後までアーネストにどこまで罪の意識があるのかがわかりません。
その挙げ句、各方面で大きな悲劇を生み、自分も大切な人達を失い人生を棒に振る事になるという地獄のような結末に至ります。

主人公が金や名誉のために一線を超えて破滅するという設定は、マーティン・スコセッシの映画では度々見受けられますが、今回の主人公は圧倒的にバカでありまぁまぁいい人であるという点が特異だった様に思えます。
アーネストが奥さん思いで愛嬌のあるキャラクターである点も、主人公の破滅が進むにつれて胸が痛くなり、印象深く記憶に刻まれる一因になっていると思います。

また、リリー・グランドストーン演じるモリーの、親族を次々と殺され身も心も衰弱していき、それでも旦那だけには特別な信頼を置いている。しかし、実は親族を殺していたのは旦那だったという設定にはとても切なく愕然とさせられました。
最後に自分に毒を盛っていた事を知っていたか旦那に尋ねた際も、その反応からすべてを察しモナ・リザの様な微かな微笑みを変えないまま旦那に見切りをつけてその場を去ったシーンがとても切なく印象に残りました。