にゃんこむ

ユピテルとイオのにゃんこむのレビュー・感想・評価

ユピテルとイオ(2017年製作の映画)
2.5
地球最後の生存者が地球から脱出する宇宙船に乗るために先を急ぐお話。

〇遠い未来、人類は地球から出されるかのように死滅していった。
ある日、地球から逃げるように宇宙船の群れが空へと飛び立つ。
その宇宙船は木星の起動に救命ボートのように浮かんでいた……
人類は死滅するか宇宙へ逃げるかの二択かと思われていたが、まだ地球には生存者がいた……。

世紀末SFな世界観がとっても良い。大気は汚染され、人々は血を吐いて死ぬ。植物は進化しアンモニア過多な環境でも生きていける。他の動物たちも同じように適応するなか人間は適応できずに宇宙に活路を見出す。
荒廃した世界にガスマスクをつけて一人佇む女性。動植物などのサンプルを集めて、今までの環境ではいなかった新種を見つけ木星の宇宙船に報告する日々。
女性が住居を構える丘の上では、突然嵐が襲ってきたり。蜂のコロニーが全滅したり、ちょっとだけ『オデッセイ』っぽい。

想像していたストーリーよりはるかに地味な終わり方でした。
もうちょっと何かイベントが起きてくれれば面白かったのになぁ……。
このストーリーであれば映画より小説の方が良かったかも。映画的というより文学的な作品。

現代文明が滅んだあとの世界で、ひっそりと暮らす人々のお話が好きな人にはオススメな作品です。
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