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ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへのXXXXXのレビュー・感想・評価

4.6
中国のタルコフスキーこと、ビー・ガン監督の力作!

父の死をきっかけに故郷に帰ってきた男が、ひょんなことから謎の女を追い、夢と妄想が交錯する不思議な世界に呑み込まれていく...。
とりあえずとんでもねー映画を見た!と言う感想しかありません!前半は割と退屈なんですが、後半オープニングタイトルが出てからが、今作の本番になります。
後半はワンショットのみで物語が進行し、劇場によっては3Dで上映されたそうです。

自分はNetflixなので、2Dで見ましたが、画面と自宅が地続きでつながる不思議な感覚を覚えました。
オートバイに乗った不思議な少年や、ロープ下り、幻想的な中国の田舎町、ラストの花火など、奇妙キテレツなだけでなく、監督のビー・ガンは非常にロマンチックな監督だと実感しました。『凱里ブルース』も良かったのですが、映画としてはこちらの方が断然大好きです!

特に後半部分が始まるオープニングタイトルが現れる場面は、ゾクゾクしてしまい、画面からバチバチッ!!と火花が飛び出る感覚でした。笑

『ラスト・コーション』や『捜査官X』が代表作である、謎の女タン・ウェイは、自分を香港の女優と同じ名前で、ちょっとメンヘラ気質の女ですが、主人公であるホアン・ジェは若干ワルそうな男ではありますが、母親想いで1人の女を愛し続けるロマンチストです。
後半のめくるめくマジック・リアリズム的世界は、魔空間と言うべき世界観で、ビー・ガンは、正に尋常じゃない天才だと実感しました。
『悪漢探偵』シリーズでお馴染みの、香港の名女優シルヴィア・チャンの登場など、香港映画ファンもニヤリと出来る作品であります。

ビー・ガンは、間違いなくポストウォン・カーウァイとして、これから世界的に注目されるでしょう。カーウァイ先生も負けてたまるかと、『恋する惑星』の続編に着手するというニュースも流れてきて、韓国映画に負けない!とばかりに、中華圏の映画が一気に活性化されそうです!
地味な作品であるが故に、日本では殆ど注目されてない作品ですが、映画ファンには2020年最大の衝撃を是非体感してもらいたいです!
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