浅野公喜

HARAJUKU~天使がくれた七日間~の浅野公喜のレビュー・感想・評価

3.7
なんと全編iphoneで撮影されたタイトルの通り原宿を舞台にしたヒューマンドラマ。亡くなっていたはずの青年が7日間の猶予を与えられ、人間としての生き方に憧れていた天使と共に残された時間を過ごすストーリー。

iphoneを使用しただけに若干映像のクオリティに限界は感じますが、事故で両親を亡くし婚約者を失い盲目になって失望している弟の為に奮闘したりひたすら人生を楽しむ青年と天使の姿にはシンプルながら胸を打たれるものが有り、天使が人間化すると急に明るくなったり、アクションシーンが用意されたりとイメージよりギャップが有る作りが単なるドラマで終わらせない個性を確立しています。最後、弟の目に関しては何でそうなってるの?と一瞬突込みたくなる場面が出てきますがその後の展開で膝を打ちました。

脇役では、孤児院で育ち近くのドライブインシアターで韓国の映画だと音が聴こえない故に分からないけど邦画なら字幕付きで内容が分かったことで日本に興味を持ち、映画の勉強に来ているという無駄に凝った設定の韓国の留学生が印象的で、彼の台詞からは映画愛が伝わってきました。もしかすると監督の想いが託されているのかもしれません。
浅野公喜

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