モンティニーの狼男爵

ザ・ピーナッツバター・ファルコンのモンティニーの狼男爵のレビュー・感想・評価

4.9
こういう雰囲気のロードムービーさいこー。
亜熱帯版「青年よ、大志を抱け」

先日、本作の予告編を劇場で観たとき、頭からつま先まで電気が走った。
ビリビリと。
それからはもうこの映画が頭から離れないわけだ。恋だこれは。

こないだ読み始めた本のテーマが、「可能性」について書かれてた。
明日どうなってるかなんてわかんない、という人間の明日は、実は大体予想がついてる。本当に分からない人間は、「今」どうなるか分からないのだ。
という様な内容で、次の瞬間、無自覚に人を救う人もいるし強盗になる人もいる、その可能性はプラスであれマイナスであれ無限大だ、と言ってた。

本作を観ながら全くその通りだと思った。
過去や人生を振り切るように逃げ出すタイラーの前に、無謀とも言える野望だけを持ったザックが現れる。パンツ一丁で。

ボロボロでグダグダな二人の逃避行。
自分が叫び出したい時に、隣で一緒に叫んでくれる。
過去なんて知らなくても、その瞬間1番欲しい言葉で語ってくれる。
そんなダチがいて欲しい人生である。

ザ・ピーナッツバター・ファルコン
ダサいけどクソかっこいい。