蟹倶楽部

ザ・ピーナッツバター・ファルコンの蟹倶楽部のレビュー・感想・評価

4.0
ロードムービーが好きです。

この作品もいい感じのロードムービーでした。

ミスマッチな男2人だけどお互い共通するマインドが旅を彩り面白くしていく、そして中盤からバランスよくかわいい女性が旅に加わるというベタな流れではあるがテンポもよくて見やすかった。


だが、「見やすい」というのは、良くも悪くも無駄が無い。

往年の名作と言われる作品には結構この「無駄」が良く活きて感動を生むものが多い様に思える。

テンポいいのだけど、なんかスイスイ進み過ぎというか、、
そういった意味で今作はそれらの名作には至らないように感じた。

気軽に観れるほっこりロードムービー。
これはこれで良い。


尚、これは作品の裏側の話だが、調べてみたところザック役のザック(本名)が実際にこの映画に出演するまでの経緯や周囲の関係者の受け入れが素晴らしかった。ダウン症候群でも映画の主役を担う俳優になれるということをこの作品で証明している。
劇中でプロレスラーになったように、ザック本人は映画に出る夢をこの作品で叶えたのだ。

そしてもう1人の主役タイラーという役名は監督のタイラー・ニルソンから、、、
監督も登場人物に自身の心を投影する気持ちがあったのかもしれません。

劇中でザックを励まし応援した漁師のタイラー、
実際にも同じようにザックを励まし、またザックに励まされ共に奮闘した映画監督タイラーの存在があったのです。

素敵な裏話だなぁと。
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