めめ

ノベンバーのめめのレビュー・感想・評価

ノベンバー(2017年製作の映画)
3.5
全編モノクロのエストニア映画。エストニアの映画は初めて見た。原作は小説。

エストニアのとある寒村。貧しい村人たちは悪魔と取引して手に入れた魂で操る奇天烈な使い魔クラットを使役し、隣人から物を盗み合っていた。そんな中、リーナは村の老いぼれ魔女に恋愛について相談する。

↑これがあらすじですが、これ読んでからじゃないと世界感が一切理解できなかったです笑 作中では言葉による説明はなく感じ取るしかありません。
作中の時代がいつなのかちょっと分からなかったのですが、ドイツ人領主が出てきますし、17世紀頃が舞台なのかな、、?その時代的背景もあるし、排他的な田舎の村というのもあって、若い娘にとっては最悪の環境です。父親が勝手に結婚相手をきめてくるのも、ハンスが身分不相応の相手に恋焦がれるのも、リーナがハンスを諦められないのも全部狭い世界にいるから。現代の東京に住んでる私なら男なんて沢山いるし、ハンスはキモイからやめてほか行こ!って言えますけど、それって選択肢があるからこそ言えることですよね、、そして現代の私たちがその選択肢を得るまでの道のりで、どれだけの女性が戦ってきたのか。でも今でも世界中のどの国でも、田舎ではこのような事ってまだ横行してると思います。決してファンタジーではないんです。なんかすごく苦しくなりました。それなのに一途なリーナのドレス姿、切ないけど美しい。
この映画の癒しは老いぼれの魔女と、ゆきだるまクラット☃️
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