ハリマ江戸

ノベンバーのハリマ江戸のレビュー・感想・評価

ノベンバー(2017年製作の映画)
4.5
SNSでお勧めされてたので鑑賞。
モノクロ映像が前評判通り、美しい。
白と黒のコントラスト。ここまで美しく描かれるのかと、感動。
世界観も中世ヨーロッパの陰鬱な感じが、たまらなく良い。ゴシック。閉鎖的な世界では神や悪魔などがまことしやかに信じられていたに違いない。
悪魔は不毛の四つ角に現れる。
この作品で描かれる悪魔が、また良い。不気味だが陽気、笑いながら魂を奪っていく狂気性。
ストーリーは、言ってしまえば、村の娘の恋物語。
されど、映像美に引き込まれる、そんな作品。

あらすじ〜
11月、死者の日を迎えるエストニアの寒村。
それは、死した母に会える日。

村の唯一の若き娘、リーナは、青年ハンスに心惹かれる。その想いは、先祖から受け継いだ財宝と引き換えに美しい服を手に入れる程に‥。

ある日、ハンスの前に、貴族の娘が現れる。

「エストニア人は、ドイツから来た男爵には屈しない。」「元は俺達のものさ。」ハンスは、男爵にすり寄り権力をその手に。
男爵の娘も‥。
夢遊病の娘。

疫病。ズボンを頭に被りケツを見せて休めばやり過ごせる、と。
ヤギ。悪魔といえばヤギ。その女に接吻すれば、生気を吸い取られる。

リーナのハンスへの想い。想いを遂げるため、魔女へ相談。
「簡単さ、あの娘を殺せば‥。」
されど、リーナは、おもいとどまる。
「男爵の娘を殺せば。ハンスが悲しみのあまり死ぬかもしれないと。」

そんな、思いも知らぬハンス。悪魔に魂をうり、クラットを手に入れる。

リーナは、男爵の娘の衣装をまとう。
例え自分でなくとも、ハンスと繋がれば‥。

恐るべし人間の愛。

クラットが喪失するとき、契約は終了する。悪魔との魂の契約。

ゴシック!!!
黒馬のハンス、白馬の令嬢、二人の遺体を乗せた馬車が交差するシーン。
なんとも、美しい。

リーナは、入水自殺を図り、ハンスの元へ。
水中のシーンも美しい。
されど、生き残るリーナ。

前編に渡る、白と黒の世界がたまらなく美しい。
中世ヨーロッパのゴシック感が、なんとも。
報われぬ、女の物語。
ハリマ江戸

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