二兎を追うものは一兎も得ず
まさに諺通りな映画だった。最近の流行りなのか、デビットマッケンジーやテイラーシェリダン作品に続く西部劇風現代映画だった。非常に男臭くて渋くて現実味を帯びていて素晴らしかった。
前半は現代戦ぽく、後半は西部劇。もしこれがギャングから奪い取った金を、馬車の現金輸送車で運ぶ中年の賞金稼ぎたちと設定を置き換えてもなんら変わらない。ジリ貧状態のまま進むという点では「ローンサバイバー」とも似ている。ビジュアル的にも似ている。
アメリカンドリーマー以来のJCチャンダー作品だが、それよりもマークボールやキャスリンビグローの作風が効いてる感じ。軍人仲間だった男たちの信頼し合う友情を描いている。まあ、監督も脚本も硬派な映画を作る人だから、相性は良かった。確か、アメリカンドリーマーもアメリカで商売仲間の商品を強奪されたりした話だったから、一貫している部分もある。
アクションは少なめだが、軍隊仕込みの洗練された動きは本当に好き。それよりも、オスカーアイザック、チャーリーハナム、ペドロパスカル、ギャレッドヘドランド、アゴレックと好きな俳優がこんなに出てることが最高だった。キャスティング神。
トリプルフロンティアを越えようとする中で映る映像美も見事。なんでこんなに評価低いのかがよく分からない。3.5-6くらいはあってもいいはず。Netflixありがとう。
