世界で最も治安の悪い街と言われているベネズエラの首都カラカス。そこで喧嘩の末に相手を刺してしまった主人公の少年ペドロ。父のアンドレスはすぐにペドロと共に報復を恐れ街から出て、行くあてもない旅をするドラマ。
マーク数少な！動画配信のラインナップでたまたま見かけた作品ですが、題材は興味を惹かれるものでしたし、こういう機会じゃないとなかなか見ないだろうなと思い鑑賞しました。
「シティ・オブ・ゴッド」からエンタメ性を排除して、ドキュメンタリータッチにしたような作品。あの作品ほど生々しくはありませんが、貧困街での重苦しい雰囲気は感じられますし、その世界で生きていく事の厳しさ難しさが染みてきます。
最初はやられたらやり返し、報復されても構わんと勝ち気だったペドロも、徐々に危ない現実を知っていき自分の事を考えてくれる父親との絆を深めていく。その様子を静かに丁寧に描いていました。
登場人物に笑顔も全くありませんし娯楽要素も皆無。ずっと淡々としている内容ですが、それが逆に現実味を持たせてくれます。知名度はありませんし、誰でも楽しめるような作品ではありませんが、気になる方は一度鑑賞してみる価値はあると思います。
