無差別イイネは咒殺

The Strange Thing About the Johnsons(原題)の無差別イイネは咒殺のレビュー・感想・評価

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驚くほどに良くできた短編。
氏の要素が少し濃縮された、本編の一部と聞いても遜色ない堂々たる一作。
あの優しそうなお父さんがどんどん追い詰められるのが本当に辛いのだが、あまりの出来事にどこか笑ってしまう。
でもその笑いって、たとえば父が娘に性的虐待をしていたら笑えない訳で、でもそれが逆転していても性暴力には変わらないので、いかに自分自身がバイアスがかかっているかという事を思い知らされる。というのも含めて、本当に意地悪なやつだなアリアスター。
息子が完全に狂ったサイコパスに見えるのだが、父が娘に性的虐待してるのとは違う感情で捉えてしまうのは、やはりバイアスがかかっているのか。
それにしても舞台を日常に設定し、そこで最も信頼しているものが崩れるという作劇は低予算で面白いものが作れるので、慧眼。