・ジャンル
サイコスリラー/風刺
・あらすじ
一見普通のアフリカ系家族であるジョンソン家
しかし彼らには人に明かせぬ秘密があった
息子アイゼイヤが幼かった頃、父シドニーに自慰行為を目撃されてしまったのを発端とした歪んだ関係である
それはアイゼイヤが結婚をした今も尚、続いていたが…
・感想
ホラー界の奇才アリ・アスターが卒業制作として製作した初監督作品の短編
以前から気になっていたのと「プー あくまのくまさん」の口直しとして鑑賞
現在YouTubeで鑑賞可能
https://youtu.be/sqyQMX4rwHs?si=Hou9D71Qxk7S7sV4
有志の方が上げた日本語字幕版はこちら
https://youtu.be/mzW-Viha8Xc?si=_bwaxl2u-r9QSYe7
デビュー作からアリ・アスターの厭な世界観が色濃く見て取れて凄まじかった…
近親相姦を描いた作品とは事前に知ってしまっていたものの「そっち！？」と驚かされた
何より印象的だったのは彼の彗眼が感じ取れるただの胸糞ではない背景
一般的に黒人社会では他の人種以上にホモフォビアが強く蔓延っている
それもあって己を犠牲にしながら苦しみ続けるシドニーの姿が克明に描かれていてひたすら辛かった…
母ジョアンの事を知ってからの対応にも前述の背景が色濃く表れていてそれがより悲劇性を際立てている
現実においてこのパターンの出来事はなかなか起こり得ないとは思いつつも社会を蝕む差別感情と向き合うという意味で幅広く観て欲しい作品
単なる狂気ではなく保守的な社会の閉塞感がそこにはあって考えさせられると思うので…
しかし30分弱の低予算作品でここまで描けるってアリ・アスターは改めて凄いな、と…
初監督作品でこれを持って来るというのもヤバ過ぎた
