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ブルーアワーにぶっ飛ばすのamuのレビュー・感想・評価

ブルーアワーにぶっ飛ばす(2019年製作の映画)
2.0
夏帆さん好きで、かつ、「いつの間にか大人になってしまった全ての人が共感できるストーリー!」なんて書いてあるから、日々に鬱々することもあるけれど、タイトルからそれを払拭するパワー溢れる大人青春スカッとムービーかと思ったら、まぁまぁ気持ちの悪い陰鬱を伴う作品だった。

主演の二人とてもいいし、やっぱり夏帆さん巧いし、大好きバイプレイヤー渡辺大知&伊藤沙莉という熱さがあったのだけど、、、もう本当に如何せん南果歩が苦手なんですよ。演技も声も顔も。この作品に決める前に観ようとした作品のキャストにこの人の名前があって観るのを断念したのに、これにも出てくるのかと。で、割と大半を占めちゃって、生理的に無理すぎて飛ばして観ました。

主演二人の掛け合いとか面白くて良かったんだけども。でもほかにも色々残念な部分が多くて、表現方法が気持ち悪かったり、画がつまらなかったり、それでいて観てる人に丸投げ感もあって、雑だなあと。

新進気鋭系なんすかね、監督。合わなかった。

あと、茨城ってこんな感じなんだなぁっていう。

別作品のレビューに書いた記憶があるのだけど、私は生まれてからずっと東京で生きているので、地方から東京に出てきた人の気持ちが本質的にはわからないという哀しさがある。帰る場所がある、それも東京から離れたいわゆる田舎という土地が原点の人を羨ましく思うし、ある種憧れていた。社会人になった時、同期同士で、「実家どこ?」という質問を投げかけあっている人達がいた。ああ、思い返せば学生時代も、「出身どこ?」とやたら聞く子もいた。そして、俺たち東北魂!とか、九州組で飲もうとか、故郷が一緒の者たちの結束の強さというか、統一感が生まれすぐ打ち解けたりしていた。東京である私は疎外感すらあった。ここは東京なのに。

それだけ東京という場所は、地方から学業や仕事のために一度出てくる場所、というものになっていて、見渡すと、元々東京で生まれ育った人間の方が少なかった。東京といえども西東京、東東京でまた雰囲気は別物で、それぞれに変なプライドもあったりして(私は無いけど)妙な空気が生まれたりもあった。

話が逸れてしまいましたが、地元愛に溢れている人たちが私の周りに多かったことから、もう帰りたくないとか、距離を置いている人たちもいるんだな、とか、そんな感情を抱きながら「東京」で活動する人もいるんだな、とか、改めて東京という場所について何か拠り所の無さのような存在感を、地方出身者の鬱々とした感情を目の当たりにした今作からヒリヒリと感じてしまった。
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