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彼らは生きていた/ゼイ・シャル・ノット・グロウ・オールドのIKのレビュー・感想・評価

4.3
デジタル技術を駆使して修復・着色し、更に読唇術を使い再現した音声や効果音が追加された第1次世界大戦の記録映像と、当時戦った人々のインタビュー音声で構成されたドキュメンタリー。このデジタル技術が施された映像のクオリティが凄まじく、白黒映像では感じにくかった生々しさや人間臭さがガンガン伝わってくる。

意気揚々と入隊した当時15~19歳だったイギリスの若者たちが軍隊で徹底的にしごかれる様や、超劣悪な環境の塹壕での苦しみから解放される休息時にワイワイ談笑する様も記録されており、とても親近感を覚える。それだけに前線強襲時のし烈さが身に染みてくるし、馬や兵士の死骸まで完璧に修復された写真と共に語られる地獄絵図っぷりには完全にやられてしまった。そして終戦後母国に戻った彼らに対する仕打ちには、無常さややるせなさを感じずにはいられない。

またイギリス軍が敵国ドイツ軍の兵士にとても敬意や親しみを持っていた事が印象的だった。それこそイギリス軍兵士とドイツ軍捕虜が揃って笑顔を見せている映像も多く、年齢が殆ど変わらず嫌々戦っていた者同士、何処か同情している所があったのかなと思った。
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