Wata

ホテル・ムンバイのWataのレビュー・感想・評価

ホテル・ムンバイ(2018年製作の映画)
4.0
凄まじい緊迫感…!

テロリストに占拠されたホテルで、従業員と宿泊客の愛と誇りを懸けた脱出劇。
彼らの祈りは、ただ"1人でも多く生き残る"こと…。

2時間息ができなくて、エンドロールで安堵感と行き場のないやるせなさで、どっと疲れが来ます。
極力痛々しい直接的な描写は避けてくれている配慮は感じたけれど、精神的に物凄くきます。


これまでの人生の積み重ねと、これからの人生の希望があんなにも簡単に、そしてなんの理由もなく奪われてしまう。
この喪失感と怒りはどこに向ければいいのでしょうか…



常に思考を続け最善の選択を選んだ人が生き残れた訳では無いし、生きたいと願う力が強い人が生き残れた訳でも無い。
なんの因果も通じない状況で生死を分けるものって、本当に時の運でしかないのかな。

理不尽なテロに対して何も出来ないのが悔しいです…


信仰は生きる上で大切な指針ではあるし、そのもの自体は何も悪いものでは無いけれども、信じるって行為は本来自発的であるべきもので、受動的になった途端、形骸化した現実逃避になってしまうように感じます。
恵まれた環境にいるからこんなことが言えるのだとも思いますが…。

信心深いっていいことだと思っていましたが、本人の姿勢によっては必ずしもいいとも限らないですね。

信教によるテロだったけれど、犯人と同じ信教だったから助かるというのもすごく皮肉…


お客様を1人でも多く守ろうとしたホテルの従業員達には本当に敬意しかないし、1人の人間として賞賛される行動だけれど、職業としての"プロ意識"ってどこまで持つべきなのでしょう。
もっと自分本位でもいいのに。


精神力が必要で、面白い!と言えるタイプの映画では無いのですが、重く目を背けたい現実に引き込まれる映画でした!

タージ・マハル・ホテル建物素敵で行ってみたいな。


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修士論文無事終わり、1ヶ月ぶりの映画!
やっぱり映画大好きです。

実はこの機にご褒美でプロジェクターを買ってしまいました…!(天井に映してごろごろしながら観れるの最高です。)

大手を振って旅行にも行けないし、4月まで映画三昧するぞ〜!
Wata

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