手塚治虫という漫画家の神様が父の手塚眞監督。
『ばるぼら』は手塚治虫の作品だ。
作家先生の男性と、ハスッパ(女の態度や行いが軽はずみで下品なこと。浮気で品行のよくないこと。そういう女。by辞書)で不思議な少女ばるぼらとの日々が描かれている。(文庫本なら上下2巻完結)
ストーリーマンガというよりは、ドラえもんのように1話完結の中で少しずつ2人の関係が変化していくマンガで、「このマンガは結局なにが言いたかったの?」と言われると、ちょっと困る。
なにせ『感じ取れ!』系のマンガだからだ。
だから、映画にするのはとっても難しい。
ストーリーをなぞるだけでは不十分で、登場人物や出てくるモノなどのあらゆるものの掘り下げと理解が必要だからだ。
だからと言って…
手塚治虫の子、手塚眞監督は正解を探すように映画を撮ってしまったようだ。
この物語の再創作を原作通りにするなら、手塚治虫の指揮が必要不可欠だ。
それはご本人が死去されていて無理だから、新しく噛み砕いて自分の解釈の『ばるぼら』を撮るべきだったと思う。
映画はつまらなくないけど、「つまらないことしたな」という感想が出ちゃう。