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オオカミの家のbenikoのレビュー・感想・評価

オオカミの家(2018年製作の映画)
5.0
映画を沢山観てきた中で、まだこの一言が言えることを幸せに思う。こんな映画は観たことがない!

チリ初の長編ストップモーションアニメ映画。
ホラーフェアリーテイル。
……あまり作品の中身には触れないでおく。

ストップモーションアニメという手法自体は珍しいものではないけれど、実寸大の部屋を使ったダイナミックな空間の動き等に、ただただ目と口が開きっぱなしでした。

映像だけでなく、中身にも本物の恐怖がある。軍事政権下のチリに実在したコミューン ”コロニア・ディグニダ” の視聴覚プロデューサーになったつもりで制作された「オオカミの家」。

鑑賞中は 観客だって〈支配 〉から逃れることができない。まるで、実際はカルト教団だったコミューンの 支配 を体験したかのような時間を過ごすことになる。(これはアリアスター監督が絶賛と宣伝されているのも頷ける笑)

そして、作中の90%の音は作曲家の自宅の音で作られたという、こだわりサウンドデザインも聞き逃せない。この音作りにも、映画の制作と同じ5年がかかっているというのだから…そこにも恐怖を感じますね。

同時上映の短編「骨」は ”1901年に制作された世界初のストップモーションアニメ”という設定で制作されており、謎の儀式を行う少女の 不気味でシュールなフェアリーテイルでこちらもとっても好きでした💀🖤

好みは大きく分かれる作品だとは思いますが、個人的には本年度の暫定ベスト
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