takanoひねもすのたり

星に願いをのtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

星に願いを(2019年製作の映画)
3.2
毒親の母親の元から逃げ出してたJKのイブ(兼田いぶき)はスカウトされるままデリヘルになり白ブリーフ眼鏡(クソい)を客に仕事をこなし、ひとり暮しの日々。
ある程度のお金が貯まるまでクソみたいな生活に甘んじる。
メンタルケアのカウンセラーは役に立つことは言わねーし、チャラい女も何もかもクソ。

やさぐれ度合いは半端なく、修羅場潜った経験から男相手の喧嘩や逃走もお手の物。
ある時、野郎共にしつこく絡まれていたキミを助けたイブ。

聞けばキミも家出してきたという。
キミはイブを、イブはイブで彼女にシンパシーを覚え、何となく一緒に生活することに。

ところが突然物語が転換する。

ある日イブの恋人は彼女から呼び出しを受けて部屋に行くと。
いきなりキミをブッ殺し、風呂場で解体を手伝えという。

ん?何処からふたりの仲が拗れて殺害まで行っちゃったんだ?
殺しても生きてるっぽいけど……キミちゃん。
(イブの部屋のクマのぬいぐるみの山…その回数だけキミちゃん殺し繰り返した?)

盛大なハテナマークを浮かべたまま、物語は少し人物の視点を変え群像劇へ。
……皆さん堅気じゃないのは……あ、賭けボクシング、八百長の仕込み。

そして全く関係の無さそうな位置から、売れないお笑いコンビの話も混じってくる。
相方は生き別れの娘がいて(会いたい)と思っているらしい、相方のためにこっそりと彼女を探すために動くが調査費用が足りない。

てな感じにバラバラだった登場人物が後ほどある場所にて一堂に会する訳なんですが……正直とっ散らかってる印象が否めない。

イブちゃん視点の一本道で突き進んだら、スコップで大虐殺からのスカッと度が増したんじゃないかと……(ごめんなさい)

クソ野郎は皆ブッ殺す、ああそうだよ!自分もクソだよ!探してくれる両親がいて良かったじゃねーかキミ!何が同じ家出してきただよ、てめぇも私と同じ処へ堕ちろよ!
ごめん、キミごめん、私が殺した、私が殺した、こんなに醜い化物だけどまだ友達でいてくれる?

これ手前勝手な考えですけど、自分の中で膨れ上がった怪物と対決して闇を飼い慣らす(向き合う)建付けは『ババドック』?
演出は監督らしさ満載。ゴアさ(今作は少なめ)とヒロインのキャスティングの良さ。
『骸』2話目のJKとか、ほんとにヒロイン役の女の子が絵に嵌まる。

ラストシーンは少し困惑したかなあ。
神の視点で観てきたこちらは、ふたりが父娘だと知っているけれど、あの時点ではまだふたりは繋りを知らない……つか相方が生還しないと知らないままかも……という心配も。

When you wish upon a star
Your dreams come true
という映画『ピノキオ』の主題歌の歌詞と
Flumpoolの同名曲置いて置く。
https://youtu.be/Pixbfk7BPtI
多分どちらの曲も作品の世界観が被るような気がする(自分は)