このレビューはネタバレを含みます
役者は素晴らしいし、映像も良かった!
しかし、「影裏」というタイトルに内容がついて来てないと思う。
「人の裏の影の濃い部分を見ろ」
「俺たちは屍の上に成り立ってるんだ」
回想シーンを使い2回繰り返してる事からこの言葉を強調したかったのだろうが、言葉の重みに耐え得る内容では無い。
それくらい松田龍平の失踪理由は薄っぺらくて中身がなさ過ぎる。
この作品は綾野剛視点なので彼の得られる情報以上の事は観客も得られない。
だから松田龍平の過去や、筒井真理子との本当の関係性なども察するしか無いのだが、何れにせよ影裏という程のものは無い。
それに綾野剛を同性愛者にしてしまったのは完全に失敗だと思う。
松田龍平に対する感情が、友情なのか愛情なのか本人自身がよく分からず葛藤しなければ深みが出てこない。
「影裏」という言葉は自分自身にも向かなければ意味が無い。
あとBGMには相当違和感があった。