ちろる

内回りの二人のちろるのレビュー・感想・評価

内回りの二人(2018年製作の映画)
3.5
いやというほど見てきた山手線のホームたち、完璧に復唱できるほど聞いてきた駅構内のアナウンス、そして景色がみるみる変わる電車の窓から見える景色たち。
当たり前だった山手線の内回りの世界もなんだか違った様に見えてくる。
元アイドル女の子と、かつてそのアイドルのファンになった男性。

時が経って、あの頃とは違う2人が電車の中で再会する。

元アイドル役の女の子がよく地下アイドルにいるいやらしい感じではなくって、割と普通の可愛らしい子。
アナウンサー系?な感じで結構好み。

なんて事ないお話なんだけど、アイドルだった頃の設定が「後ろ向きアイドル」っていうのは嫌いじゃなくてら後ろ向き、ネガティブを克服しようとアイドルやってたのに結局、やむ終えず立ち止まってしまった。
アイドルでなくても、東京という街に飲み込まれて立ち止まったり、時には引き戻したりする経験がある人は沢山いて、そんな人たちの気持ちを体現してる気もする。

山手線が永遠に回ってるのかと勘違いして、大崎で足止めを食らった経験あるけど、こんな素敵な出会いがあったら大崎ももっとロマンティックなイメージだったかもな。
(疲れたおっさんに紛れてタクシーに並んだ記憶しかなかったけど)
だから、これから恋が待ってる東京在住の人にはおすすめの短編映画でした。
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