りっく

ウィーアーリトルゾンビーズのりっくのレビュー・感想・評価

4.0
両親を亡くした4人の子供たちが葬式で出会う。無感情なまさに恐るべき子供たちは、まるでロールプレイングゲームの中で無機質なキャラクターとして操作されているかの如き厭世観と主体性の欠如である。

そんな世界観を緻密に構築した作り手に脱帽。構図やアングル、カット割りや編集テンポ、BGMや効果音に至るまで、気の遠くなるような細部へのこだわりが執念のようにひしひしと感じられる。CMディレクター出身の長久監督はまさにファミコン時代のレトロ感の手触りや耳障りと、現代的なポップな感覚を融合してみせる。強いて言うならば、中島哲也と松居大悟のいいところを足した感じとでも言うべきか。

ただし、いかんせん物語の強度や持久力が足らず、明らかに失速するのが作家的な欠点だろう。4人がリトルゾンビーズというバンドを結成し、その出自とともに大人たちによって金儲けのために利用され世間に消費され、人生のリセットボタンを押すか押さまいか選択を迫られる家庭に目新しさはなく、チャプター分けされた構成も上手く機能しているとは到底言い難い。

だが、この明らかに才気あふれるこの映像作家が、ストーリーテリングする能力を身につけてしまったらと思うと末恐ろしい。だからこそ、サンダンスやベルリンでも賞に輝いたのだろう。真の映画作家になる将来を楽しみに待ちたい。