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ウィーアーリトルゾンビーズのAのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

映像も音楽も単純にめちゃくちゃいい。好き嫌いが分かれるという意見を見たけどなんで?って感じ。知らんけど。役者もみんなよかった。私が中学生とかだったら確実に中島セナワナビーになってたと思う。出番が少ないのに爪を切りながら愛についての持論を展開する蔵之介は異様にセクシーだった。菊地成孔のターンは笑う。


4人はは絶望やエモーショナルを古くてダサいものだと冷笑する。それはたまに摂取する分にはドラマチックできらめきを孕んだ特別な体験になりうるが、日常的に転がっている場合はいちいち精神が摩耗するだけだ。彼らは否定するかもしれないが、冷笑的態度は防衛本能だったのだと思う。ヒカリにとって、人生がゲームだったように(しかも8bitの)。それは逃げかもしれないが、逃げてなにが悪いのか。自分の人生なのだから、逃げなくても大丈夫になってからゆっくり立ち向かえばよいのである。


全体として、リトルゾンビーズの公開されなかった伝記映画の体裁なのかな。リトルゾンビーズに熱狂した人々には公開されなかったリアルの部分を私たちは見るのだけど、その後の人生はスクリーンに映し出されることがない。彼らがドラマチックさに欠ける平凡な人生を歩むのだとしたらそれはとても幸福なことなのだ。
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