このレビューはネタバレを含みます
なんでここまでの評価なのかわからない(笑)素晴らしかった キャッチコピーについては全力で低評価ボタン押すけど まあでもこれこそ「誰も本当の意味を理解しない それでいいのか?馬鹿にも分かるくらい凄まじいものを書け」って台詞が反映されるのでしょうか。映像美、そして何より役者の芝居が涙が出るくらい、血が滲むものだった これが役者、迫るものがあった
旬さんは主役より脇役の時に本領を発揮する(引っ張っていくという覚悟よりこいつを食うという覚悟のほうが力を引き出せる人)だと勝手に感じていた。
でも今回それがひっくり返された感じ!旬さんだけじゃなくて、もう全員お芝居が素晴らしくて、スクリーンの中にその人を感じなかった。小栗旬は映画の中にいなかった。
ふみちゃんの「だって私青酸カリ持ってますもの」って言った時のゾーンに入った眼、その後の時間が止まるような沈黙、「あなたの髪の毛一本だって私が大切に守ってきた宝なのに!」と言うか狂気、精神的に追い詰めていく様、
どこかにいつも自分の名声がチラつく沢尻エリカのきらきら輝いた表情で言う「恋が不良ならわたしは不良でいい」、
三人とも最後とても清々しい表情だったのが「女」だなあ、と思った (ふみちゃんのお芝居はいつもなんだか似通っていて好きになれないです)
太宰治という人間が合ってたのもあるけど、小栗旬、太宰治になってた あの顔、あのタバコの吸い方、眼、背中、あれは小栗旬のものじゃない 違う人間だった クズとかどうとかばっか書かれてるけど、そういうところがよかったに決まってるじゃないか!とおもう
いいところを好きになるのではなくて、ダメなところを愛してしまったらもう後戻りできなくなる、彼が弱くてダメな人だから、明るさの裏がとても強くて人間臭くてたまらないから、生きるのが上手に見えて下手だから、愛おしくてたまらなくて一緒にいたいと思うのではないでしょうか、ね。奥さんにだけは素直になれないところがいじらしくて好きでたまらなかった
陰のある役が合うというのは皆んな思ってるんだろうけど、今回良かったのは陰だけじゃなくて陽の部分も見せる人間だったということ 陽があるから陰が光るし、陰があるから陽が光る
コメディーでもホラーでもドラマでもあるな、と思った ダウン症の子役を使ったところも含めてリアルとフェイクのバランスがよかったです もしかしたら思い返す現実は映像よりも美しいのかも 役者陣と、映像美に拍手 本当に素晴らしいものを見せてもらった お疲れ様でした。
追記
宮沢りえへのあの手紙に泣いちゃった 恋愛指南な映画でもあったね〜 本当に好きな人には頼るし甘えられる 弱さを見せられる ですね