やや

ジョジョ・ラビットのややのネタバレレビュー・内容・結末

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

コメディタッチで描いてはいるけれど、ナチスの教えに心酔し、子どもたちが戦争に対して疑いも恐れもないのが怖い。戦場に行くことは名誉なんだね。
でも笑って良いのかはわからないけど、イマジナリーヒトラーとの生活の様子はクスッと笑ってしまった。

コメディとシリアスのバランスのセンスの良さが光る。
戦争の悲惨さは描いているものの、見せすぎない。
直接的な表現は隠すけれど、何が起きているかはよくわかる巧い描き方をしている。
後ろ姿や靴だけで母とわかる演出も素晴らしい。

母ロージーはカッコよくて素敵な人なのだけど、同じ母の立場としては本当に守るべきはジョジョなのに匿うなんて危険なことをしないでくれと思ってしまった。亡くなった姉と似ていたことで余計に見捨てられなかったのかもしれないけど、実際、家宅捜査に入られた時にキャプテンkがいなければ2人とも死んでいたよね…
でもそれは客観的に観ている私の感想で、ロージーにとってはどちらも比較できない愛なんだろうか。

ジョジョ、ヒトラー、ロージー、エルサ、キャプテンK、ヨーキー…
戦争の中の、それぞれの愛を描いた作品だと思った。

「すべてを経験せよ」
「美も恐怖も」
「生き続けよ」
「絶望が最後ではない」

生きていく彼らがずっと踊り続けられますように。
やや

やや