※特に今回はラストシーンのネタバレまであるので、これから観るつもりの方は読まないことをオススメします。🙇🏻♂️
あと、今回もダラダラと長いレビューになりますが、先に言っておくと好きです。😁
【“誰のどんな目線で見るか❓“の違いです。】
チャップリンの「人生は近くで見ると悲劇だが、
遠くから見れば喜劇である。」って名言だったり、🎩
映画監督兼スクリプト・ドクターである三宅隆太さんの「蟹と修造」理論だったり、🦀
おそらく似たようなことは昔から言われて来たんでしょうが、
要は、映画って「誰のどんな目線で見るか?」の視点の切り替えによって作品のメッセージが全く違いますね。😅
映画に限らず、
明智光秀が主人公の大河ドラマが作られるなんて昔は考えられなかったでしょうし、
大ヒット少年漫画の『鬼滅の刃』も、「敵も味方も、そこに至るまでその人がどういう人生を歩んで来たか❓」を後から見せる話がすごく多いんです。
そういう、
「勝負における勝者と敗者との視点」👀や
「その人において人生のどの部分を切り取るか」✂︎
を映画を観る際に以前にも増して気になってきました。
今作がそうだったように、今まで散々作られた戦争映画もまだまだ無限に自由な描き方ができますね。♾
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【”FOX SEARCHLIGHT PICTURES ”の作品はかなり期待できます。】🦊
自分は冒頭で、あれのカンパニーロゴと子供の合唱が流れた時点で「あ、これは期待出来るぞ」とワクワクしました。😃
今作の”FOX SEARCHLIGHT PICTURES ”という会社は、
今作にも出ているサム・ロックウェルがアカデミー助演男優賞を獲った『スリー・ビルボード』(2017年)を観た時から注目し始めた映画会社なんですが、
基本的に「安直な美談に陥らない」というか、「複雑な感情の余韻を残す」作品が多い、自分の中ではセンスの良い映画を作る会社だと思っています。
設立25周年、おめでとうございます。㊗️
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【今作を観て連想する作品】🎬
まだ観られていないんですが、今年2020年に公開された韓国映画『スウィング・キッズ』も”今作に似ている映画”のリストにありました。🇰🇷
あれも評価が高いので、観ようか少し迷っています。🤏
自分は単純に『ライフ・イズ・ビューティフル』やチャップリンの『独裁者』。
あと、『禁じられた遊び』やパク・チャヌク監督作品『JSA』なんかもうっすらと連想しました。
「『この世界の片隅に』と似ている」って言う人もたくさんいましたけど、正直言って、自分はそれには考えが至りませんでした。😅
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【とにかく、敵も味方も魅力的なキャラクターばっかりです。】👍
タイカ・ワイティティ監督自身が今作では主人公のイマジナリー・フレンドのヒットラーを演じています。👨🏻
ある意味、今作で一番の憎まれ役なんですが、そんな役を監督本人が演じるのって“嫌われ役を引き受けた“ように思います。
でも、実際には監督・脚本も手掛けた今作の1番の立役者なのは間違いないです。💮
①主人公:ジョジョ少年を演じたローマン・グリフィン・デイビス君は、もちろん十分可愛い男の子だと思いますけど、単純な可愛さもさることながら、表情の作り方がすごくうまい子だと思いました。😁
②彼の友達のヨーキーもいい奴でした。
彼を観ていると、なんか落ち着くんです。♨️
地味に重要な存在だと思います。
③ジョジョの母親をスカーレット・ヨハンソンが演じているんですが、もちろん彼女も魅力的な母親です。
ウィンクして舌打ちする様😜とか、「虎とは見つめ合ったことはない」🐯って言ってからニッ🥴とする笑顔とか、観ていて気持ちがいいです。
『マリッジ・ストーリー』と並んで今年2020年のアカデミー賞の受賞を逃したのは残念ですけど、いつか受賞することを期待します。
もちろん『ブラック・ウィドウ』にも期待しています。🙇🏻♂️
ただ後述しますけど、今作で彼女が演じる役はちょっと引っかかる人物像でもあります。🐯
④サム・ロックウェル演じる”キャプテン・K“も
最初はやる気のない上官だったんですが、最後はすごく良い人に思えてきます。
サム・ロックウェルについては、
前述の『スリー・ビルボード』もそうなんですけど、ぶっちゃけ、”信用出来ない“とか"胡散臭い”役のイメージが強かったんです。
でも今作とクリント・イーストウッド監督作品『リチャード・ジュエル』が同時期に公開されて、一気に好感度が増しています。⤴️
⑤ゲシュタポの妙に背が高いリーダー格のあの人も良かったです。
「ゲシュタポの5人衆全員が「ハイル、ヒトラー」って何回言うの⁉️」って思ってしまって、笑えました。🤣
⑥レベル・ウィルソン演じる側近の部下も面白かったです。荒川弘先生の漫画『銀の匙』にあんな人がいたように思います。
すごく漫画的なキャラクターなんですけど、あの人にしか演じられないですね。👍
自分は彼女の出演している『ロマンティックじゃない?』とか『ビッチ・パーフェクト』とかはあんまり興味なくて観ないんですが、この人がキャッチーで人気が出るのは納得です。
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【フード理論的にはちょっと首を傾げます。】
料理研究家:福田里香先生の唱える「フード理論」は
映画の中において
①善人は料理を美味しそうに食べる😋
②正体不明者は物を食べない🤐
③悪人は食べ物を粗末にする🚮
という三原則なんですが、それをつい最近、ラジオクラウドで聞いたばかりだったので、今作の食事シーンはちょっと気になりました。🍽
サム・ロックウェルも序盤でリンゴをポイ捨てした自己紹介の時は悪人っぽく見えましたけど、
終盤のジョジョを逃す時とでは印象が全然変わってきます。🍎
ただ、それは良いとして、
スカーレット・ヨハンソンと、あのアンネ・フランクみたいなヒロインの2人は食事をしているシーンがないんです。🍽❌
スカーレット・ヨハンソンも劇中でワインばっかり飲んでるんですが、パン🍞も食べられないのにワインは飲めるんですね。🍷そこがよく分かりません。🤷🏻♂️
何より、二人とも極貧生活のはずなのに美人すぎるんです。😅
自分は『この世界の片隅に』を見たときには、食材自体はめちゃくちゃ極貧状態なのに、それなりに工夫して料理するところがリアルに感じたんですが、
今作のあの二人は、生活感というか、血の通った人間の感じがイマイチしませんでした。
それら全て、タイカ・ワイティティ監督の意図した演出なのかもしれませんけどね。😅
あくまでも、
”リアルな反ナチス映画”
というよりは
“ナチス時代のひとつの寓話"
だと思います。
冒頭から時代考証を無視したビートルズの曲が流れたりしますしね。🎶
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【とにかく、いろいろな映画に思えます。】
もちろん、
⑴ナチスを描いた寓話的な反戦コメディ
でもありますけど、考えようによっては、
⑵新海誠監督作品みたいな”セカイ系"の恋愛映画
であり、
⑶10歳の子供がたった半年で自立する成長談
とか、観た人によっていろんな解釈が出来る作品だと思います。🧐
⑶10歳の子供がたった半年で自立する成長談
として観ると、
ラストで主人公はようやく靴紐を結べるようになるんですけど、
”自分で靴紐を結べる”ってことは、
“自分自身で歩いていける”
”自分で人生を歩むことができる”
みたいな比喩表現でしょう。👞
で、自由になって二人で踊って、
そして、リルケの言葉で締めくくる、
あのラストの切れ味も最高です。💯
自分はあのラストは“ビター・ハッピーエンド“だと思っているんですが、それも感じ方は人それぞれでしょうね。
自分は泣きました。😢
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【あくまでも自分の感じた今作の1番のテーマは、】
自分の前のレビューがスパイク・リー監督の『ドゥ・ザ・ライト・シング』で、あれも人種差別を描いた話でしたけど、
今作も1番のテーマは、
「なんで差別が生まれるのか?」を描いた作品だと思います。
ナチスの人々がユダヤ人を忌み嫌うのが、
悪意ではなく正義だと信じていることがむしろ恐ろしいんですけど、そういうことって世の中でたくさんあると思います。
ジョジョにとってヒットラーが死んだ時と同様に、🇩🇪日本人が昭和天皇の人間宣言を聞いた時も似たような虚無感があったでしょう…。🇯🇵
そんな風に日本人にも置き換えて考えました。🎬
と、差別云々の問題でなんだかんだ言いましたけど、そんな深読みをしなくてもストレートに感動的な作品でもあります。
自分はもう一度観ても、ラストでやっぱり泣くと思います。😢