三太郎

ジョジョ・ラビットの三太郎のレビュー・感想・評価

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)
4.8
すごく不思議だった。
冒頭からビートルズの曲流れてあれ、時代違うよなと思いつつ、ドイツなのに英語?と思いつつも見入ってしまった。
映像というか、色彩がとても綺麗で、着ている服、背景の自然や木々の緑色が鮮やかで美しかった。
戦時中という時代背景においてジョジョの純粋で明るい性格と、子供に対して行なっている戦争訓練のギャップが今では信じられないくらい違和感あるし、逆にそこが戦争だけの話で重くなりにくくなってたから見やすさもあった。
少年と少女が徐々に心通わせていく描写が特に素敵だなと感じた。戦争してるけどお互い分かり合えば愛しあえるし一緒にいることもできるそんなことを感じた。

あの将軍だったか、誕生日が間違えてたのを隠してたし最後ジョジョを逃してくれてたし、父親のいないジョジョをどこか気にかけて父親のように思ってたのかな。そう考えると愛の力って規則とか社会情勢とか関係なく大きな力を持つんだなと感じた。
スカヨハも愛の力の大きさについてジョジョに話してたし、愛がこの映画の作品テーマでもあったのかなと思った。

スカヨハは綺麗だったし母親として愛情を持って子育てしてくれてたのに、戦時中ってあんなに急に起こるものかと、戦争の残酷さ悲惨さを思い知らされた。それまで靴が印象的に映るシーンがあったけど、まさかあんな形で印象づけられるとは思わなかった。靴が映った時思わず息を飲んでしまった。ジョジョを優しく愛を持って導くそんな姿をずっと見てたかった。
ユダヤ人をかくまうことや戦争に反対するセリフから先に書いたあの将軍のように愛が彼女の心を動かしていたのかな。

やっぱり愛というテーマで描かれているように感じる。
人を愛するということ。日本では好きな人にしか使わないような言葉だけど、欧米の人たちはなんでもない時、恋人同士でない人に対してもアイラブユーと使うこともあるから愛そのものな定義が違うのかもしれないけど、日本的な意味で言えば優しさや慈しみみたいな気持ちになった時に愛という言葉を使うのかもしれない。人と人が触れ合いそこに心が生まれればそれが愛なのかもしれない。
三太郎

三太郎