煙草と甘いコーヒー

新聞記者の煙草と甘いコーヒーのネタバレレビュー・内容・結末

新聞記者(2019年製作の映画)
1.5

このレビューはネタバレを含みます

知人のひどい感想を先に聞いていて、その酷さを確認するために見たような映画

どうひどいか、というのを結構忘れてしまっていたのと、偏見を捨てて素直な気持ちで見ないと、と自分を戒めながら観賞

っていうか、なんだあのグレーディングは、、、
極端すぎるし、あんな暗いとこで内調の人たちは仕事をしているのだろうか、、、
それとも、監督の偏見と印象操作の賜物なのだろうか、、、

奇をてらったそのグレーディングに終始苛立ちを覚えた

それはさておき、生物兵器?! と来たもんだ

そんな飛び道具を引っ張り出すのが、この作品の役割じゃないんじゃないの?!

気前の良さをひけらかし、いい人だ、素晴らしい人だ、歴代最長の総理だ!

周囲から歯の浮くような言葉で褒めちぎられ、周囲の評価でしか自分を評価できない現首相。

その調子に乗りすぎて、権力を私物化した成れの果てが、加計学園であり、森友問題である。

化学兵器?! そんな時代錯誤で、アメリカのケツをデロデロ舐め続けても、その屈辱的で国辱的な感覚を一切感じることのできない、この国の歴史においても一二を争うケツ舐め総理が、そんな野蛮なことをするはずもなく、、、

お友達の学長も、気概や矜持とは無縁のみっともないおっさんだったし、、、

そんなショボい輩に、そんな大それたことが1ミリも見合うわけはなく、、、

単に、ええかっこシーの、見栄っぱりの、調子こいただけの、どうしようもなく小粒な政治家が気分良くなりたいがために斡旋しちゃっただけの、どうしようもなくショボい話なだけなので、その恥ずかしいくらい深みのないお粗末なスキャンダルでは、俺の映画が汚れる! と思えてしょうがなかったのだろう。

逃げてしまったのだ

生物兵器に

現実味の一切感じられないフィクション、、、

まだ原爆の方が信憑性が感じられる
金正日暗殺とか、拉致被害者に関する密約、北方領土の密約、沖縄基地の密約、日米地位協定、内閣情報調査室、日米合同委員会、今この国が抱えている問題で国民に公にできないものとか

もういいや

そんなことよりも、登場人物たちの心理の遷移に違和感を都度覚えるので、
「あれ? なんでこの人悩んでるんだっけ、、、」
「なんで怒ってるの?」
が続き、しまいには、
「(唇の動きだけで)ごめん」
で、終わるんかい!
と、意味不明である。

外務省にそれほど思い入れも感じられず、タダに致命的な弱みを握られているわけでもなく、生まれたばかりの子供と奥さんに直接的な被害が差し迫っているでもなく、、、

というか、タダが終始一貫して悪者で終わってしまっているのも、愛がなさ過ぎる

原作というか、この映画の元になった書籍の内容が気になるところだが、この映画を見た著者は本音のところどう思ったのだろう、、、
かなりの的外れ感を味わったのではなかろうか、、、
あるいは、本には書けなかったことを著者が監督に伝えて、、、だったり

そして、新聞記者に関する問題の本質は、政権からの圧力ではなく、その圧力を可能にしている現行法であり、メディアと政治の歴史であり、記者クラブ制度であり、記事の質ではなく自社に迷惑の掛からない記事が求められるサラリーマン記者であり、官邸とメディアの近さであり、既得権益であり、消費税の軽減税率の対象がもたらす自主規制であり、広告収入に腰の引けたツッコミの甘い記事であったり、と、、、

それらが問題の本丸であるわけで、奇想天外で非現実的な陰謀を引っ張り出して来て、お茶を濁している場合ではないはずなのだが、恐らく、制作側にそういった問題認識がなかったための当然の産物がこの映画だったのだろう。

これがこの国の社会派映画だと持てはやされてしまう浅はかさに絶望感を覚えるとともに、本物の作品がいつの日か出てきてくれることを夢見る今日この頃である。