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マダム・クロードのakrutmのレビュー・感想・評価

マダム・クロード(1977年製作の映画)
4.0
マダム・クロードという実在の人物が営む高級娼婦の斡旋組織に絡んだ政治スキャンダルを描いた、ジュスト・ジャカン監督の官能サスペンス映画。『エマニエル夫人』や『O嬢の物語』などの官能映画を手掛けたジュスト・ジャカン監督なので、本作でもエロティックなシーンもふんだんに盛り込まれているが、それと同時に政治家と娼婦の密会現場を盗撮していたカメラマンを巡って、CIAや仏警察、そしてマダム・クロードによる駆け引きも描かれている。でも、セルジュ・ゲンズブールによるフレンチ・ポップが映画全体に小気味良い清涼感を与えていて、淫靡さやノワール感は感じられない。(それでも結末は爽やかというわけではない。)この点で人によっては物足りなさを感じるかもしれないが、個人的にはこんな感じの映画は結構好きである。ジェーン・バーキンが歌っている主題歌 "Yesterday Yes A Day" も印象的。

さらに、娼婦役の女優さんがみな美しいので、その部分で説得力があるし、見応えがある。特に、マダム・クロードにスカウトされ、モーリス・ロネ演じるピアニスト相手にデビューし、大金持ちの息子(パスカル・グレゴリー)との出会いでこの職業に疑問を感じるようになるエリザベスを演じたデイル・ハドンが、ファッションモデルだけあってスタイルもいいし、めっちゃ美しすぎる。アン・マリーを演じたヴィベケ・ヌドセンも綺麗。

この映画で政治的な事件として用いられている(というか実話を元にしている)のが、ロッキード事件なのが面白い。当然、娼婦で接待される側として日本人も出てくる。フランス警察のえげつなさも面白い。こんな風に描いてしまって大丈夫なのだろうか。
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