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ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!のblacknessfallのレビュー・感想・評価

4.1
初キアヌがどの作品かは人それぞれだろうけど、それが「スピード」にせよ「マトリックス」にせよ、かっこいい男と言うことに変わりはないと思う。
でも、初キアヌがこのビルとデッドシリーズだとしたら、それは全然違うんだよ。
おれはまさにこのシリーズの1作目が初キアヌだったので「スピード」がヒットしてキアヌかっけーの嵐になってた時、えっ!?あのロック好きのボンクラの片割れが!?ってなったもん笑

ビルとデッドはロックのボンクラなのに未来人から世界を救う曲を作る運命にあると告げられたことが発端でこのシリーズは始まる。
逆に言うとコイツらがその曲を完成できなければ世界は終る。
これが基本コンセプト。

それを今回、29年ぶりの新作はどうするのかと思ったらまんま同じ設定だった笑
しかも、29年後でもその世界を救う曲ができてない笑
そして、タイムリミットが77分後に迫ってる!ボンクラ二人は曲完成し世界を救うことができるのか!?

肝心の曲はできてないけど二人とも娘がいるし、今は落ち目で忘れられた存在だけど二人のバンド"ワイルド・スタリオン"は一時期世界的な人気を誇ってた。
例の曲作りにも励んでたらしいけど子育てやバンドの不振なんかもあってあまり真剣にやってなかった模様😂

そしてタイムリミットが77分後だと未来人から知らされ今度こそ真剣に曲作りするのかと思いきや、「最初に未来人が俺らが作るって言ってたから、何年後の俺らが作ってるはず、それを未来から持っくればOKじゃん」と考え、タイムマシーンで未来の自分等を訪ねていくことにする笑
シリーズ観てる人ならそんなに驚くことでもないんだけど、この二人、とにかくバカでノーテンキで努力とか嫌いなボンクラ中のボンクラなんでこういう発想になるのは必然なんだよ笑

ここから二人の時空旅行が始まり、未来の自分等との友情や争いがあり、また平行して二人の娘達が世界を救う曲を演奏するに相応しい究極のバンド作ろうと過去の有名ミュージシャンをスカウトするためにこれもタイムマシーンで旅をする笑
この娘二人がすごいいいんだよね、父親思いで。落ち目になっても軽蔑することもなくボンクラ親父を愛してる感じで。
スカウトしてくるミュージシャンがジミヘン、ルイ・アームストロング、モーツァルト、凄い大味なとこがおもしろい。
モーツァルトじゃなくてベートーベンでもいい気がするけど、ベートーベンは苦悩の人なんで作品のバカなトーンからするとモーツァルトのが収まりがいいんだよね。
モーツァルトって人間性が意外とアッパーなバカだから笑 「アマデウス」に画かれてるよね、モーツァルトの人間性のヤバさ。

タイトルに偽りなく時空旅行で、色んな場所や時代でドタバタ劇が繰り広げられる。

何にしても29年のブランクがあったとは思えない2人のボンクラっぷりに驚愕した。
特にキアヌ、他の映画では年をとってもかっこいいのに、全然かっこよく見えないんだよ笑 1作目で見たヌボーっとしたデクノボー感の再現度の高さよ笑

ストーリーもよかった。
ボンクラがボンクラのまま、その善性と超楽観主義な思考だけで世界を破滅から救う展開はファニーで痛快!

それとやっぱりいい大人が一生懸命バカをやるって姿はエモーショナルなんだよな。
若造がバカやっても出せない切なさがあって感情を揺さぶられる。
先日のM-1で錦鯉てコンビのボケのまさのりさんて人が49才にも拘わらず、知性もベテランの味や風格とも縁遠いプリミティブなギャグを連発してる様ともシンクロするものを感じたな。
うまく言えないけど年を取った人間が振り切ったバカをやることで生まれるバイブスがある。
そして、自分がそういう歳だからやたらと刺さってくる笑
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