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行き止まりの世界に生まれてのczcncのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

とても良かった。
何もない街で育ちスケボーだけが心の拠り所で、大人になりたくない子供達。こういう題材は一昔前なら刹那的で破滅的な結末になりがちだったけど、これはみんな葛藤しながら成長し、いろいろなことに折り合いをつけて進んでいくところを見せてくれてとても良かった。折り合いのつけ方がリアルというか心にくるものがあった。
ドキュメンタリーだけどみんな要所要所で映画のセリフのような心に残る洗練された言葉を言っていて、何だか感性の違いを感じた。
ザックはクズだけど、クズなりにどう思って行動してるかが納得できた。自分の気持ちを言葉にして説明するのがみんな上手い。
家庭内暴力を受けて育った子が多いけど、みんな葛藤はありつつ家族を愛していた。ビンの母親についてモヤモヤして、自分が「1人は嫌だ」という理由で息子を父親の暴力に晒し(本人も受けていたとはいえ)、最終的にまた再婚。すごく利己的に見えた。でも息子達もそれを祝福していたから、結局母を愛しているのだなと。でもセラピーのためにドキュメンタリーを撮り続け、母親にああいう質問をぶつけたところにビンの複雑な思いも見えた気がして、いろいろ考えてしまった。
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