ブラウンソースハンバーグ師匠

行き止まりの世界に生まれてのブラウンソースハンバーグ師匠のレビュー・感想・評価

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「mid90s」の純度の高い「かっこういい」に感動したものだが、この映画は「かっこういい」からスケボーを綺麗に抽出している。リアリティレベルの高いドキュメンタリーという手法が、それを見事に実現していると思った。
(余談だが、黒人差別の反転現象について語ろうとしている青年が、頭ごなしに否定されているのがなんか可哀想だった。個人的にも好きなFoxingのバンドTシャツ着てたから、肩を持ちたいというのもあるのだけれど)
暮らし向きが好転しない。そればかりか、どんどん息苦しくなっている。そこを丁寧に撮っているからこそ、ただただスケボーで街を滑るシーンには胸を打たれる。スケボーは「ここじゃないどこか」へ逃がしてくれるわけじゃない。「ここ」を、歩くよりも速くなぞれるというだけ。