ちろる

世にも怪奇な物語のちろるのレビュー・感想・評価

世にも怪奇な物語(1967年製作の映画)
3.8
原作は怪奇文学の巨匠エドガー・アラン・ポーの作品でロジェ・バディム、ルイ・マル、そしてフェデリコ・フェリーニ監督がそれぞれの異なる作品で「堕落した人間の死への渇望」の精神世界を描いていて、とにかくキャスティングが豪華。
1作目の「黒馬の哭く館」ではジェーン・フォンダとピーター・フォンダの美しさと、奇抜な衣装に目を奪われる。
背徳の館でのめくるめく日々と、驕りから起こした大きな過ちへの後悔と苛立ちの日々の描写の対比により、愚かな主人公に対してなぜか少しだけ同情をおぼえてしまう。
世界観は3つの中で一番好きな作品。
2作目の「影を殺した男」
3つの中ではストーリーがクリアで一番わかりやすいが、アラン・ドロン演じた冷酷なサディスティックな主役は一番同情の余地がなく残酷だ。
ブリジット バルドーがラストまで毅然とした美しさを放っていたのも印象的だった。

ラストのフェリー二の「悪魔の首飾り」
皆一様に青白い上に主人公が取り憑かれた魅惑の少女の顔がとにかく怖くて寝る前に観なきゃよかったと後悔してる。
あと、私スピード恐怖症らしくフェラーリの爆走がダメでした。
あの壊れきったダミット演じたのがあのテレンス・スタンプだと知って驚いた。

世にも奇妙な物語のようなホラーファンタジー系オムニバスもこの映画がなかったら生まれなかったかもしれない。
ちろる

ちろる