スター監督たち(フェデリコ・フェリーニ/ルイ・マル/ロジェ・ヴァディム)とスター俳優(ジェーン・フォンダ/ピーター・フォンダ/アラン・ドロン/ブリジット・バルドー/テレンス・スタンプ)たちが作ったエドガー・アラン・ポーを独自に解釈した作品集です。名前をズラッと並べただけで、めまいがするくらい豪華ですよね!しかも、名前負けせずに、内容スゴイんです!
特にフェリーニ監督が担当した第三話『悪魔の首飾り』の評価が一般的には高い(そしてボクもそれに完全同意するしかない)です。しかし、第一話『黒馬の哭く館』(ロジェ・ヴァディム監督)も第二話『影を殺した男』(ルイ・マル監督)だって相当なものです。
見所だけ簡単に解説します。
第一話『黒馬の哭く館』
ジェーン・フォンダとピーター・フォンダのフォンダ姉弟の最初で最後の共演作品です。貴族の話なのですが、ジェーン・フォンダのファッションが素晴らしい!
ジェーン・フォンダのサドマゾっ気たっぷりの演技もいいし、それとは対照的に寡黙なピーター・フォンダの演技もいいです。
第二話『影を殺した男』
アラン・ドロンが某アニメキャラのように人を操る能力を持っていて、悪事を働きまくり。アラン・ドロンの美しいオレ様感が素晴らしい!「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる!貴様たちは死ね!」って言ってほしい!
そして、これもファッションですよ。アラン・ドロンの軍服姿!かっこいい!ルルーシュ様!あれ?『コードギアス』のキャラ設定ってまさかこれが元ネタ?それはさておき、青いパイピングとかいいよねえ!ああ、マジであんな服が欲しい!
第三話『悪魔の首飾り』
でも、やっぱりこれですよ。マリオ・バーヴァつながり。マリオ・バーヴァも独自の色彩センスですが、本作におけるフェリーニの色彩センスも素晴らしい!『魂のジュリエッタ 』(1965年)ではじめてカラー作品を作ったフェリーニ。これがカラー第二作品なんじゃないかな?最初の空港シーンでやられちゃいますよ。あのオレンジ!そして、紫のパンタロン!色彩感覚だけでなく、本作はマリオ・バーヴァの『呪いの館』の白いボールを持った少女の元ネタでもあります。
そして、なんと言ってもテレンス・スタンプ!その前に「アラン・ドロンすげー!」って思ってハードルが上がった状態だったのに、いきなりクリアしちゃうくらいの素晴らしさ。神経質な美男子をやらせたらテレンス・スタンプの右に出る人はいないですよね。『コレクター』とか観ました?ザ・スミスのサード・シングル『ホワット・ディファレンス・ダズ・イット・メイク?』のジャケットでも使われましたよね。写真映えしますよねえ。
テレンス・スタンプが乗るフェラーリ330LMBもカッコいい!このレーシングタイプ(Ferrari 330 P4)が『サーキットの狼』で風吹裕也が乗るフェラーリ・ディノ・レーシングスペシャルの元ネタなんですよ(とボクは思ってる)。