”人を殺し、国を二つに分ける思想の方がどうかしてる”
それは本当にそう、としかいえなくって、苦しかった。
全ての最悪なことを忘れてタップダンスの楽しさだけに没頭してる彼らが眩しくて尊くて仕方なかったし、悔しかった、彼らを守れなかったのが。そんな世界に住んでる自分が。
これは眠れない。勘弁してくれとすら思う。
朝鮮戦争の捕虜収容所で結成された国籍も性別も年齢も身分もまるで異なるちぐはぐなダンスチームのお話。
めちゃくちゃポップなコメディだなんて思ってたらラスト30分に引っぱたかれました。戦争という途方もない悲劇を美化させないという覚悟を感じるし、繰り返さぬよう、世に送り出したいというような制作陣の意図を強く感じる。
儲けを得る人以外、自分のこの手足で争い合いたい人なんて誰もいないと信じている。国境、言葉、思想は何故ここまで人をズタズタに引き裂くんだろう。どうしてみんなで手を取り合って幸せになれないんだろう。何十年何百年経っても変わらない、というか酷くなる世界情勢に胸を痛めながら、この映画への祈りと世界への希望が合致した。お願いだから彼らのタップダンスを止めさせないで。自由を、喜びを、みんなのものに。苦しい。沢山みます。忘れないように。
(寝る前にみて”Free As a Bird”聴きながら結局2時間咽び泣いてました)