ちろる

2分の1の魔法のちろるのレビュー・感想・評価

2分の1の魔法(2020年製作の映画)
4.0
『誰だって内なる魔法を持っている』
魔法を忘れた国で、本当は奥底に眠っていた魔法の力を次から次へと甦らせる展開は、なんだかRPGゲームや、ハリーポッターシリーズみたいな感じでワクワクさせられます。
キャラクターのビジュアルが私たちの世界とかなりかけ離れていて、世界観がとても異色なので、正直言うと初めは感情移入しにくかったのですが、慣れてくるとまぁ大丈夫。
基本的には主人公の兄弟の成長物語が軸となっているのだけど、その一方で便利になりすぎた世の中で人間たちが自分のうちなる才能を怠惰で消してしまっているのではないか?という問いかけがあって、それを上手く融合させてくれている流石の脚本。

兄弟は、兄は破天荒すぎてポンコツ、弟は臆病もので自分の殻を破れない。
凸凹コンビ、この2人は既に父親を亡くしているけれど、彼らの成長の足止めとなっているのがそれぞれの父に対する「過去への呪縛」。
魔法で父さんに会えるかも?と、いう事が2人の冒険の出発となって2人のが力を合わせて行くうちに、本当に自分に必要なものが何かにたどり着く、彼らをおいかけるこの世界のサブキャラたちも本来の姿を取り戻していくストーリーも含めて大人にも響くファンタジーとなってます。
ここにはピクサーからの「何者でもない人なんてこの世にいないんだよ」っていう優しいメッセージが織り込まれているようで、涙ポロリ。

ハラハラドキドキのダイナミックなアクションありの冒険ものなのできっとこれスクリーンで観られたらよかったのかもしれませんが・・・
おうち映画でも十分楽しめたクオリティ!
またまた素敵な贈り物いただきました。
ちろる

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