蛇らい

21ブリッジの蛇らいのレビュー・感想・評価

21ブリッジ(2019年製作の映画)
3.4
かなり久々に良い銃撃戦を見たなというのが1番に浮かぶ。これって意外と重要なことで、シンプルかつ普遍的なスリラー映画だからこそ際立つ気骨のあるアクションは、蔑ろにされがちなディテールのひとつだ。

ガンアクションをやってますよ感を極力抑えて、地味に見える部分も惜しまずにさらけ出す覚悟に、映画の資質を感じられる。

白人警官たちの表立ってはいない、けれど通底して存在する白人コミュニティ内の無意識かつ意識的なコネクションが劇中、終始流れ続ける。薄ら寒いようなアウェイ感というか、明確に区別されはしないけれど感じる肌感みたいなものを上手く捕らえている。

予告編はアクションを全面に押し出したような映画であるようにも見えるが、なんとも渋く無骨なサスペンスに仕上げ、さらにチャドウィック・ボーズマンの演技が、映画として格を押し上げる。

もっと歳をとってからの演技も絶対に良いはずなので、見てみたかったのが残念。
蛇らい

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