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AI崩壊のRのネタバレレビュー・内容・結末

AI崩壊(2020年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

自宅で。

2020年の日本の作品。

監督は「サイタマノラッパー」シリーズの入江悠。

あらすじ

2030年、AI開発者桐生浩介(大沢たかお「キングダム2遥かなる大地へ」)によって開発された医療AI「のぞみ」によって、現代医療は爆発的に利便性を増し、世界中でなくてはならない存在になっていた。そんな中、娘と共に久々に日本に帰国した浩介だったが、突如「のぞみ」が暴走、人間の生きる価値を合理的に判別し、殺戮を開始する。

Netflixにて、無作為に選んだ中から。

「22年目の告白」や「サイタマノラッパー」シリーズの入江悠監督の最新作はまさかの和製SF。

しかも、現代社会には欠かせないAIの反乱をテーマにしている…ということで、そういうのはアメリカでは結構あるような題材なわけだけどそれを日本でやっちゃうとなると流石に安っぽくなるのでは?と観る前は思ってたんだけど、杞憂だった。

オープニングで、主人公桐生が開発した医療AI「のぞみ」によっていかに現代医療が発達したのかをスピーディーに描く冒頭。

「のぞみ」によって瞬時に体調不良がわかったり、潜在的な病気も解明したり、またスマートウォッチよりもはるかに優れた技術で人々の日々の体調を管理する「のぞみ」はまさにこの世界に暮らす人々にとって切っても切り離せない必需品。まさに技術革新!

ただ、そんかAIが暴走してしまうと…?って話なんだけど、普通にこえー。何てったってこの「のぞみ」は全世界の人々の体調管理を一手に引き受けているわけなので、例えば心臓に持病を持ちピースメーカーをつけている人なんかはまさにデスノート的に瞬時に異常を起こして殺しちゃうしでめちゃくちゃ怖い。特に桐生の乗ってる車に違う車から異常を起こしてそのままぶつけるところなんかは、全く罪のない、しかも持病を抱えている人が犠牲になってるわけだから、なんつーか血も涙もないよ、これ。

で、そんな「のぞみ」の暴走に加え、警察側も捜査AIを開発していたらしくノーラン版「バットマン」のAIみたいな「百目」によって全包囲網を敷かれ、まさに四面楚歌の絶体絶命。

で、逃げるってわけなんだけど、なんつーかすげぇハリソン・フォードの「逃亡者」っぺー。なんとか持てる頭脳を生かして、警察側を巻いたり、道中、桐生が追われている身だと知りながら、逃がす優しいおじさんとか…なんかすげぇっぽいなー。

あと、一番「っぽいな」と感じたのが桐生を追う警察側として三浦友和(「線は、僕を描く」)演じる定年近いベテラン刑事と広瀬アリス(「七人の秘書 THE MOVIE」)演じる勘のいい新米刑事のコンビが出てくるところ!もうなんかこの組み合わせがなんつーかジャンル映画的だよな!(しかも、演じる2人自体がめっちゃ良かった!)

まぁ、お話的には特に気を衒った内容ではないし、その「真犯人」もなんとなーく予想ついちゃう訳なんだけど(まぁ、その犯人役の人がいつもと違う不気味なキャラクターを演じていて、そこは良かったが)、まぁそれでも便利極まりないAIが一転すると世界を脅かす恐ろしい存在になりうるという「警鐘」は感じ取れたし、定石を味わうという意味では楽しめた作品でした。
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