tetsu0615

AI崩壊のtetsu0615のネタバレレビュー・内容・結末

AI崩壊(2020年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

思ってたよりは面白かったかなと。

AIによる情報管理社会における、起こり得るかも知れない最悪な事態を描いた近未来サスペンス。管理社会における個人情報や全ての管理を任せてしまう恐怖とどれだけ時代が変わろうとも変わらない人間の愚かさ、悪意…を描いている。

この手の映画でお馴染みの警察の無能冠は相変わらずで、逃亡においては素人な(情報端末などに詳しいとは言え)主人公に翻弄され、バカみたいに銃を撃つ…AIに洗脳されとんのか?撃つように。
あとは…逃走シークエンスが少し長いかな。街中での逃走劇、地下道、船…物語の流れとしては分かるが、どのシーンも走って逃げる走って逃げる…なので少しダレる。主人公がスキルを活かした撹乱をしたのは良かったかな
そんで…あとは犯人の目的か。あの場で告白する意味も分からんが、言ってることも無茶苦茶で(社会問題を含んでいるとは言え)頭良さそうに描かれているがアホなのかな?
あとそれなら…義弟よ気づけよ笑
主人公よ、お礼はちゃんとしような
ちゃんと見てなかったが割と豪華なキャストにビックリ。

2030年、AIが生活に欠かせない存在となった近未来の日本。AI開発者の桐生は総理大臣賞授与に呼ばれ、娘と共に帰国。亡き妻の弟である西村とも再会し、その式に向かう最中で突如AIが暴走を始めるその容疑者となった桐生の逃亡劇が始まる…

暴走が始まるまでは各キャラクターの紹介、AI「のぞみ」開発から浸透するまでの過程を流れるように描いている。ここは別に普通の流れだ。桐生たちにとっては久々の日本という中でAIがどのような存在になり変化があったのかが鑑賞者にも説明される。AI関係者、警察、記者など後々に関わってくるメンバー(及び容疑者)が次々と現れる(意外と豪華なキャストに驚き)。名刺貰うシーンは露骨に映さなくても良くない?
デモを起こしたり、会見に侵入していたAI反対派の描写が過激部分だけで、物語に効果的に絡むわけではないのが少し残念か。


さて、この辺から犯人についても触れながら書いていこうかな。ネタバレ注意です。そもそもネタバレ枠なんだけど笑







桜庭は桐生が帰ってくるこのタイミングを狙ったのか?そもそも帰ってこなかったら誰に罪を被せるつもりだった?
AIを暴走させたが、その"生きる価値がある"とかいう人間もこれで死んでないか?
桐生を警察のAIを使って逮捕する、健闘したがAI選別で価値の無い人間を始末し、AI「のぞみ」のビックデータを収集して国民を支配するのが目的か?
劇中では、沖縄の普及率の低さがチラリと報道されているがそういう地域があるなら結局意味無いのでは?


桐生という天才開発者だと今回の暴走を止めうる可能性があるわけだがその中でやるべきだったのか?過信?
西村に読み込ませたあと、西村の記憶も薄れた頃にAIを暴走させて捜査の名目で「のぞみのデータ」を搾取しても良くない?
桜庭が描いていた地図がイマイチ良くわからんくなってきた…
副総理とかも絡んでたらしいことが示唆されるのでしょうがないのかも知れないが…
あと、西村くん。そんな怪しい話があるならサクッと思い出して言おうぜ笑

まあ、置いといて

AIの暴走が開始。様々な影響が周囲に発生するが、自動運転は解除出来るようになってないのか?など企業側のスペックの甘さ原因が多くないか?いや、近未来はああなるのか?など気になる点もありつつ、全てをAIに任せる恐怖を描いているという点では良いのかもな。

桐生の端末が発信源(これは仕込みだろうが、どう仕込んだのかは不明)なっているということで、警察は確保に動く。そこからはずっーーーーと逃走劇だ。警察のAI「百眼」の監視網、虫型ドローンカメラ、特殊部隊から逃げる桐生…個人情報もお構い無しの描写だがまあこの手の映画では良くあることだ。
気になっていたのだが、サーバールームで落とした写真、あんなとこに行くのか?笑
三浦友和と広瀬アリスのコンビはベテランと若手というコテコテのコンビだが好感が持てる。ちゃんと捜査資料やキーワードから割り出しているあたりは良いと思ったが、警察のAIには読み込ませてないの?とか思ったり…

桐生に関してもいくら踏み台しても端末起動したらヤバイとかはちょっとも考えなかったのかな?とか名刺だけでハッキングで出来んの?とか海に飛び込むしか選択肢無かったけど厳しいぜ?とか気になるとこは多々。助けてもらって一言くらい「ありがとう」は言えよ。

封鎖された古巣の大学で、これまたご都合良く残っていた「のぞみ」のプロトデータを改造しつつ、犯人を割り出す…そこに映る西村の姿!となるけどさ弁明の前にとっとと桜庭に頼まれたとか言えるでしょ?(観客に見せなくてもいいからさ)すぐ言えば良いのにグズグズしてるからダメじゃないか(あとでベテラン刑事には言っているが)
あと、射撃出来ますからって撃ちすぎだよ?死んだらAIの止め方とか割り出せないとか(桜庭以外の)奴らは思わんのか?

「百眼」の認識を狂わせたり、前半でサラリと描かれたホログラムを使ったりと桐生と西村の能力とかを活かした展開は良かったが、仙台から千葉まで皆早くない?
このあと、犯人としての証拠を突きつけられるが…反射って笑
あそこで動機を自白するのは謎。中継してたのは良いとしてもだ。他の警察もいるし、他の人も見ているのに告白したらアウトだよ?
「のぞみ」に読み込ませるのもえ?プロジェクターなの?とか思ったり…あそこで関わった人の笑顔とか流されても…うん冷めるんだよなぁ笑

結局、選別は止まったものの社会的な影響がどんな風になったのか分からないし、桜庭の淡々とした鑑賞者へのメッセージ、あんな感じだと過激な妄想に捕らわれた(なんならアイツ自身もAIに捕らわれているような)悪意の塊のように見えてどこか空虚だ


ツッコミ処は散見されるものの、サスペンス作品として盛り上げようとしてくれているのは伝わるし、題材としても良くあるものながら現代に扱うべきテーマで良い。
警察や犯人のツメの甘さや都合の良すぎる展開はご愛敬ということで
tetsu0615

tetsu0615