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T-34 ナチスが恐れた最強戦車のKUBOのレビュー・感想・評価

3.0
なんか最近、若者の間で戦車が人気のようである。某ゲームの人気によるもののようだが、本作はそんな戦車ヲタクには楽しい映画なんだろうなぁ。

主役は第二次大戦に活躍したソ連の主力戦車「T-34」。戦車ヲタクの息子に聞いたところ「ドムみたいな戦車」だそうである。それでなんとなくわかる私も私だが。

で、オープニングから設計図の透し図をバックにアニメっぽいテーマ曲が流れてカッコいい! 新たに開発された新兵器の秘話って、ガンダム的に言えば『IGLOO』みたいだ。

閲兵式が行われる日までに800km離れたモスクワまで自走して届ける。ソ連軍部内にもいろいろな派閥や思惑があって、その道中に様々な妨害が入る。コメディではないけど『超高速!参勤交代』みたいな?

すごいのはCGじゃなくて実機を使って撮影が出来ちゃってるところ。さすがロシア! 逆に言えば、実機がただ走ってるだけなんだけど、戦車好きにはたまらないんだろうな。

その間に挟まれる、適度なトラブルや戦闘(と言っても小競り合い)はそこそこ。戦車同士の闘いはないし、スペクタクルを期待してもがっかりします。

それより、私が引っかかったのは、女性の扱い方。

この時代に女性が軍事作戦に出しゃばってくるなんて、いくらなんでも有り得ない。現代のエンタメとしてのアレンジも、時代考証を無視してはリアリティを失くす。

1940年代当時の女性が、男性の軍人にくってかかり、現代のように振る舞ってみせながら、肝心なところでは敵に捕まり、女がいるせいで手も足も出なくなる、といった旧態然とした展開になる。

新しくしたいんだか、古くさいままなんだか、どっちつかず。

最後も、軍人乗せずに女性が同行って、絶対有り得ない!

日本で言うなら『零戦』映画。第二次大戦当時のお国の自慢の兵器の実話。エンドロール前に流れるのはヨーロッパを解放した時の様子かな? 人民がロシア軍を歓喜で迎えているけど、この裏で北方領土が奪われていったと思うと複雑。

戦車好きなら星プラス1。
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